8.つかの間の秋を愉しむ。その人なりの個性的なファション。

ニューヨークの"秋"は、ほんのつかの間

日本ではそろそろ涼風が吹き始めた頃でしょうか？
ここN.Y.にも、夏の終わり独特の何となくもの悲しく人恋しいような空気が漂っています。夏の間は、これ以上簡略化できないようなファッションに身をつつんでいたニューヨーカーたちも、秋風が吹き始めるとハッと我に返ったようにおしゃれに注意を払う人が増えるようです。このゲンキンさも、ニューヨーカーたちの特徴のひとつかもしれません。

ショウウィンドウには秋冬の新作が競い合うように並び、人々の購買意欲をくすぐります。ただ、N.Y.では、おしゃれな人とそうでない人との差が日本とは比べものにならない程あるので、関心のない人にとってはファション動向など何ら意味のないことなのですが・・・・。

トレンドといっても日本のように全員一色に染まるようなことは決してないので、個性的といおうか、何でもありといおうか、各々がその人なりのファションをのびやかに楽しんでいます。
季節が徐々に移行する日本とは異なり、ニューヨークの"秋"と呼べる期間は、ほんのつかの間。ある日突然、まさにある日突然に冬になってしまうのですから。この寒くもなく暑くもない最も心地よい2～3週間は、ニューヨーカーたちにとってもとても貴重なものなのです。

この時季は出歩くのも楽なせいか、日頃ブロードウェイやコンサートホールなどにあまり足を向けない人々も、「たまにわね」などといいながら夫婦でおめかしして出かけるようです。
郊外に住んでる人々はちょっと無理かもしれませんが、マンハッタンの住人であれば、会社から一度帰宅して軽い食事をとり、シャワーを浴び、少しフォーマルな服装に着がえてから通常出かけます。とはいっても、見るからに会社帰りそのままの格好の人もずい分たくさん見かけます。

カクテルドレスとタキシードカップルとジーンズ同志のカップルが、幕間に隣り合わせているなどという光景は、いかにもニューヨークと言う気がしてなりません。