次々にわかるチョコレートの効用
よほど意思が強固でない限りチョコレートを勧められて断る人はいないでしょう。つい、「お言葉に甘えて、いただきます」と、手の方が声より先に出てしまっています。食品に含まれるポリフェノールの効果は5大栄養素+食物繊維に次ぐ期待のエースとして抗酸化作用や殺菌作用・抗炎症作用などの研究が進められています。
チョコレートは、カカオに多く含まれているアルカロイドのテオブロミン(Theobromine)効果で気分を穏やかにリラックスし、利尿効果もあります。カフェイン&カテキンのようにダイエット効果が期待されているようです。
カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部Beatrice Golomb准教授も大学のNewsのチョコレート摂取記事でキャサリーン・ヘップバーンのスリムな体型について聞かれた時の有名なコメント“What you see before you is the result of a lifetime of chocolate.” (チョコレートを食べているからよ)を引用しています。
1日1個トリュフを食べ続けたら、1週間に1kgづつ太った経験があります。これは、チョコレートと言うより生クリームと砂糖がカロリーオーバーの原因と納得。気兼ねなく食べられて幸せ!
チョコレートのプラス効果を5本まとめてみました。
1.脳卒中が気になる男性の甘いサプリメントはチョコレート!
チョコレートと脳卒中の関係
「毎週、適量のチョコレートの摂取で男性の脳卒中リスクが低くなるかもしれません」とスウェーデンのストックホルムにあるカロリンスカ研究所<医科大学>(Karolinska Institute) のSusanna C. Larsson博士のグループが発表しました。(訳:tori3tori3)
(Karolinska Institute 30 August 2012)
博士のグループは、37000人以上のスウェーデン人の男性(49~75歳)に、食べ物や飲み物、チョコレートをどのくらいの頻度で消費しているかという食のアンケート調査を行いました。スウェーデン国立病院の退院許可記録を通して、10年間で脳卒中を最初に起こした人は、1995人であるということがわかりました。
他の研究で、チョコレートが、心臓血管の健康を助けるかもしれないと調査していましたが、この結果が、チョコレートが男性の脳卒中を減らすかもしれないと気付いた最初です」と博士は述べています。
最も多く毎週約63gのチョコレートチップを食べていた男性は、チョコレートを全く食べなかった男性に比べて、脳卒中になる率が17%低下していました。4260人の脳卒中者を含む大規模なメタアナリシス(5つの研究結果を統計的に併合する)では、チョコレートの消費量が最高レベルの人達の脳卒中リスクが全く食べない人達に比べて19%も低くなりました。
ダークでもミルクでもOK
週あたりチョコレート消費量を50g(日本の平均的な板チョコ約1枚分)増やすごとに、脳卒中のリスクは約14%下がりました。面白いことにチョコレートの種類には関係ないようです。
「ダークチョコレートは、かねてから心臓の健康と関わりが深いとされてきましたが、私達が調査した時にも、スウェーデンでは約90%の人達がミルクチョコレートを食べているのですよ」とLarsson博士は付け加えています。
脳卒中におけるチョコレート摂取の利点はチョコレートのフラボノイド効果と指摘されています。 「フラボノイドは、抗酸化、抗凝固、抗炎症作用を施して心臓血管病から守ってくれると考えられています。チョコレートのフラボノイドは、悪玉コレステロールの血中濃度を下げて血圧を低下させてくれるかもしれません」とLarsson博士は述べています。(訳:tori3tori3)
2.ダークチョコレートを毎日食べて心臓病を回避!
「ダークチョコレートの日用量が脳卒中や心臓病のリスクを下げることができる可能性があります。これは、ダークチョコレートの血圧とコレステロールを低下させる性質がオーストラリアの人口の30%の人がかかえている心臓疾患の高リスクにとって、安価で美味な対策となるものです」とオーストラリア のメルボルンにあるモナシュ大学(Monash University)の Christopher Reid博士のグループが発表しました。(訳:tori3tori3)
(Monash University 01 June 2012)
<p.研究は、ダークチョコレートを毎日10年間消費することで1万人あたり70人の致命的でない心臓イベントと10人の致命的な心臓イベントを防ぐことが出来ると予測しました。博士課程のElla Zomer女史は、「低血圧とコレステロールでは知られていますが、ダークチョコレートに含まれているフラボノイドの長期的な健康上の利点を調査するのは初めです」「私達は、10年の間毎日100gのダークチョコレートを食べ続けるという健康の利点を予測していました。少なくともココアの含有量が70%あるプレミアム品質相当のダークチョコレートです」と述べています。
「結果は、ダークチョコレート療法は、世界の主な死亡原因である循環器疾患(心臓発作や脳卒中のような心臓疾患)の高リスクをかかえている人達に代替療法として薬物治療の補充として提供できることを示しています」「私達は、高リスクグループが、ダークチョコレート療法を唯一の予防対策として行っているとは言い切れません。エクササイズのような理にかなっている選択肢と併用している場合もあります」とZomer女史は説明しています。
研究者達は、既に心臓病の高リスクグループ2013人においてダークチョコレートを毎日食べることでの長期的な健康への影響と費用対効果を予測するために数学的モデルを使用しました。参加者は、心臓病や糖尿病の病歴がなく、降圧療法を受けてない人達です。
結果は、一人あたり年間42ドル(広告や販売促進を含む)をダークチョコレート関連の健康政策に投資すれば、より多くの人々にとって循環器疾患を予防する上で有益であると示唆しています。心不全を含む他の心血管系における潜在的影響はさらに研究されています。 Zomer女史は、「高いフラボノイド含有の『栄養強化』されたダークチョコレートはもっと効果があるかもしれません」と付け加えました。(訳:tori3tori3)
3.ダイエットするならチョコでしょう!
米国カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)医学部 Beatrice Golomb准教授のグループは、「定期的にチョコレートを食べている大人の方が、そうでない人に比べて痩せているのがわかりました。一般的なチョコレート摂取への反対意見(例えば「チョコは太る!」のような)を覆すかもしれません」と、研究結果を発表しました。(訳:tori3tori3)
(UCSD 26 March 2012)
チョコレートをより多く食べる人がやせていた
研究グループは、あえて仮説を立ててみました。少量の一般的なチョコレート摂取は、カロリーをニュートラル(zero)にしているかもしれません。言い換えると適量のチョコレート摂取が、カロリーの脂肪蓄積を減少する方向に導いているかもしれないということです。したがって、体重に関してはプラマイゼロ、相殺しているかもしれないという仮説を実証するために、研究者達はサンディエゴ在住の体重と身長を測定された約1000名の男女の食事などを調査しました。
カルフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)での研究結果は、研究者達の推測よりもっと魅力的な、満足度の高いものでした。彼らは、チョコレートを1週間より多く食べている大人の方がそれほど頻繁に食べていない人達より、実際やせていると分かりました。例えば、BMIが低かったのです。効果は大きくはありませんでしたが、効果は重要です。チョコレートをより多く摂取していた人達は、カロリー摂取量を減したり、エクササイズをより多くした訳ではありませんでした。
「我々の研究結果は、カロリー数ではなく、カロリーの構成が体重に影響をする」とGolomb准教授は述べています。「チョコレートの場合、これは喜ばしいニュースです。チョコレートを食べる習慣がある人も、そうしようと思っている人達にとってもです」(訳:tori3tori3)
4.心臓にイイ!? チョコのフラバノール(flavan-3-ols)効果
「チョコレートやココアの摂取で血流依存性血管拡張反応(血管の内皮機能)が一貫して良くなり、インシュリン抵抗性などに関しても改善が見られるようだ。」とイギリス University of East Anglia Lee Hooper博士のグループが発表しました。
(American Journal of Clinical Nutrition March 2012)
5.バレンタインなんて関係ない! チョコはチョコ!
バレンタインデーを控えた2月11日、アメリカ化学会(American Chemical Society)のウェブサイトに「Five “sweet” facts about the chemistry of chocolate」(チョコレートの”なぜ? なぜ?”5つの甘~い魅力的な化学的事実)と題し、バレンタインを特別な人と過ごすあなたも、「独身貴族の日」と題して謳歌しようとしているあなたも、程よいチョコレートの摂取が、健康に良さそうな5つの素晴らしい化学的な根拠をビデオ掲載しました。(訳:tori3tori3)
(American Chemical Society 11 February 2013)
チョコレート、5つの甘~い誘い
ビデオでは、チョコレートにはどれだけ多くの化合物が含まれていて、どのような健康への効果が期待できるのかを説明しています。 それでは、5つの甘~い誘いの効果をご紹介しましょう。
- チョコレートは、命にかかわる病気にかかるリスクを減らしてくれるだろう。チョコレートに含まれるポリフェノール効果でHDL(善玉)コレステロールを増やし、LDL(悪玉)コレステロールを抑えます。フリーラジカルによるアルツハイマーや癌、酸化から身体を守ってくれるかもしれません。
- チョコレートは、美味なる風味だけでなく、気分を高揚させてくれます。神経伝達物質のanandamide(アナンダミド<快感と関係の深い脳内麻薬物質の1つと考えられている>)の機能停止を阻害。時として、痛みや気分の落ち込みを遮る「至福の分子(the molecule of bliss)」と呼ばれています。
- チョコレートは、カフェインやテオブロミン(アルカロイドの一種でカカオに含まれる苦み成分)を含んでいます。テオブロミンはリラックス効果もあると言われているので、ぐっすり休むことが出来るかもしれません。
- チョコレートは、男性が脳卒中を起こすリスクを軽減してくれるようです。
- ダークチョコレートはストレス軽減効果が期待できるかもしれません。1日に1.5オンス(約40g=約板チョコ一枚弱)1週間食べると尿中のコルチゾール(ストレスを感じると生成されるホルモン)が減少。(訳:tori3tori3)くれぐれもご注意いただきたいのは、糖分とカロリー!
ポリフェノールは野菜や果物にも含まれています。
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