毎日の家事の健康効果
加齢とともに、腰が重くなり、一度ソファーに座ると立ち上がるのがおっくうに。立っている人は、親でも使えとばかりに、ついでにあれやこれや、人に頼んでばかり。
これが、諸悪の根源。楽あれば、苦ありで自分に帰ってくるのです。決められたエクササイズをこなさなければならなくなり、腹筋、背筋、大臀筋等々、筋肉と名のつくものは、どこに行ってしまったのだろうと日々思い、反省することに。
義務化したエクササイズより、思いついたら、ちょっとお出かけ。落ち着きがないな!と思われるぐらいが、丁度良い加減の身体活動量(METs:メッツ)に繋がります。こまねずみ運動ですね。
米国University of California San Diego(カリフォルニア大学サンディエゴ校)医学部他の研究者グループは、「習慣的な軽い運動に携わっている65歳以上の女性にとって、家庭内の炊事・洗濯・掃除のような作業やお使いのようなしなければならない雑用が、様々な健康効果をもたらしており、死亡リスクの減少があることがわかった」と発表。
(University of California San Diego News 16 November 2017)
University of California San Diego(カリフォルニア大学サンディエゴ校)医学部家庭医療と公衆衛生学科のAndrea LaCroix教授は、
「すべての動作が身体活動量として計算される」
「郵便物などを取りにメールボックスまで歩いて行くとか、近所をブラブラ散歩したり、洗濯物をたたんだり、家の中の片付けをしたりするような、日常基本的に私たちが行っている数多くの動きのことだが。高齢者の身体活動の55%以上を占めている動作のことだ」と言及している。研究は、65歳から99歳までの女性6,000人を対象に4年半の追跡調査が行われた。参加者は、日常的な生活をいつものようにしながら、7日間、加速度計と呼ばれる測定器を絶え間なく腰に装着した。
結果、1日に30分の軽い運動(軽作業)は、12%死亡リスクを低下させることがわかった。さらにゆっくりとしたペースで自転車にのったり、早足でのウオーキングのような、中程度の運動を追加すると、39%低い死亡リスクが示された。
「軽い運動も中程度の運動も身体活動のレベルを改善することが、慢性の疾患を防ぐために綿密な定期的運動を行うのとほとんど変わらない効果がある」
「我々は、健康でいるためにマラソン走者でいる必要はない。動きに対しての認識を変える必要があるのだ」と疫学部門の責任者でもあるAndrea LaCroix教授は、述べている。(訳:tori3tori3)
(University of California San Diego News 16 November 2017)
年齢を重ねると、以前より、多くの事を簡単にこなせなっていくことに気づかされます。一度に、ササッと全部するのではなく、掃除も1週間単位で行ったり、毎日の買い物も、曜日で区分けしたりと、考え方を少し緩くしていくと、無理なく健康的に家事や雑用ができ、ココロにゆとりが生まれそうです。
参考記事
生活習慣病予防の新指標METs(メッツ)とEX(エクササイズ)
厚生労働省
健康づくりのための運動指針2006-生活習慣病予防のために-(エクササイズガイド2006)」(PDF)