骨粗鬆症のリスクはウンシュウ(温州)ミカンの摂取で低くなる!?

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みかん

女性は閉経後5-7年の間に、骨密度が最大で20%ほど急速に減少。骨粗鬆症の発症は、51~75歳ぐらいの間と言われています。70歳を超えた叔母達をみていると最近は誰かが、腕や足、鎖骨などを「骨折したの。ひびが入っていたのよ。手術したの」と聞くようになりました。足を滑らせ、階段から落ちたり、名前を呼ばれたと思い振り返ってバランスを崩した時のけがです。不自由で大変そうな状態を見るにつけ、「転けてはならぬ!自助努力」と関節の可動域を広げ筋力をつける自主トレ中です。

β-クリプトキサンチンの血中濃度が高い閉経女性は骨密度が高い

農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)果樹園研究所の所長である長谷川美典農学博士のチームは2005年度静岡県浜松市(旧三ヶ日町)で行われた「三ヶ日町研究」で非利き腕の橈骨(とうこつ)における骨密度調査において、β-クリプトキサンチン(ウンシュウミカンに特徴的に多く含まれているカロテノイドの色素)の血中濃度が高い閉経女性は骨密度が高いということを明らかにしています。4年後の2009年、457名に血中カロテノイド濃度と骨粗しょう症の発症リスクとの関連について追跡調査を実施しました。

1.閉経女性のうち、調査開始時に既に骨粗しょう症を発症していた被験者を除いて、血中のβ-クリプトキサンチン濃度について、低いグループから、高いグループまでの3グループに分け、各グループでの骨粗しょう症の発症率を調査しました。
その結果、血中のβ-クリプトキサンチンが高濃度のグループにおける骨粗しょう症の発症リスクは、低濃度のグループを1.0とした場合0.08となり、統計的に有意に低い結果となりました。この関連は、ビタミンやミネラル類の摂取量などの影響を取り除いても統計的に有意でした。

2.調査開始から4年後の追跡調査で、新たに骨低下症7)及び骨粗しょう症を発症していた閉経女性では、調査開始時における血中β-クリプトキサンチン濃度が、発症しなかった健康な被験者(平均値1.94 μM)に対して、骨低下症では1.59 μM、骨粗しょう症では1.16 μMとなり、4年間で骨密度が低下した被験者ほど調査開始時の血中β-クリプトキサンチン濃度が統計的に有意に低かったことが解りました。
これらの結果より、血中のβ-クリプトキサンチン濃度が低いほど、骨粗しょう症を発症しやすいということが示唆されました。

3.今回調査した6種のカロテノイドのうち、骨粗しょう症の発症リスク低減と有意な関連が認められたのはβ-クリプトキサンチンのみでした。一方、男性や閉経前の女性においてはこのような関連はみられませんでした。
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 2012/12/22)

骨粗しょう症予防に対して有益

「現在、国内における要介護に至る大きな要因の一つに、骨粗しょう症による骨折等が挙げられます。骨粗しょう症予防は将来的な要介護のリスクを低くし、健康寿命の延伸につながるという観点からも注目される成果といえます」「β-クリプトキサンチンは閉経女性における健康な骨の維持・形成に対して有益である可能性が明らかにされたことから、今後はウンシュウミカンやβ-クリプトキサンチンの骨代謝に及ぼす作用を検討するとともに、そのメカニズムについても明らかにしていきたいと考えております」と述べています。
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 2012/12/22)

こたつ・みかん・お餅は日本の冬の風物詩。お正月はこたつに入り、おせちの残りを小皿に移してつまみながら、お燗した日本酒をチョイ飲み。気持ちもほぐれほんわかと暖かくなります。子供の頃、ミカンの箱の中に手を突っ込んで「甘いのは皮の柔らかいミカン。まだ残っているかな」と探し当てた日は、得した気分になっていました。冬休みが終わる頃には、手のひらが黄色くなるのがあたり前。昔は、箱買いだったのですね。近頃はビニール袋に入って売られているのを見慣れてしまいすっかり忘れていました。今年は、黄色くなるまで頂きます。

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