ウインターブルー(冬季鬱病)は避けて通れる

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冬

「疲れてた~」「リラックスした~い」「の~びの~び気分転換」と思う時、頭の中に浮かんでくるのは何故だか暖かい南の島。寒いだけでキュっと身が引き締まり、気持ちは内向きに。失恋や離婚など人との別れは、春から夏の方が、秋から冬にかけてより気分的に楽だろうと思っていたのは、あながち理由がないわけではなかったのです。

アメリカ人の5人に1人は「冬季鬱病」

冬の訪れと共に、気温が低くなり、どんよりとした日々が増え、日照時間が短かいと、カラダがだるかったり、気分が落ち込んだり、眠かったりすることがあります。季節性情動障害(seasonal affective disorder:SAD)と呼ばれており、冬場に症状が見られる「冬季鬱病」は特別珍しいことではありません。アメリカ人の5人に1人に症状がみられ、その内75%は女性であるとアメリカ心理学会(American Psychiatric Association:APA)は発表しています。

症状は、寝過ぎ、過食、気力の低下、引きこもり、集中力の欠如です。北方地域の気候に住む人はSADを経験する傾向があります。米国ミネソタ州のメイヨー・クリニック(Mayo Clinic)の精神科医Mark A. Frye博士は、「多くの人がSADのいくつかの要素に悩んでいる時、もし仕事や個人的な付き合いに影響がでるようであれば専門家に助けを求めるべきです。もし絶望的な気持ちになったり自傷行為を抱くようになったら助けを求めることが特に重要なことである」と述べています。
(Mayo Clinic News 15 December 2012)

SDA(季節性情動障害)解決のヒント

Mark A. Frye博士は、冬の間を通して、あなたの心理状態と意欲を安定した状態に保つヒントを次のように与えてくれています。

(1)外出しなさい。自然光に勝るモノはありません。もしあなたが日中働いているのであれば、ランチタイムや休息時間に散歩をするように努めなさい。
(2)屋外に出られない時は、光線療法Boxがあなたの心理状態を高めてくれる手助けになります。
(3)少なくとも1週間に3日、30分間のエクササイズ習慣をつけなさい。
(4)定期的に家族や友人と付き合う場をもちなさい。

SDA(季節性情動障害)の原因は?

太陽の光は目を通して脳に入り、神経生産物質であるセロトニン(心理状態を含めて神経細胞の機能をサポートしている)の生産を刺激しています。光が少ないとセロトニンのレベルも低くなります。暗闇は眠気を促進させるメラトニンの生産を促します。セロトニンの減少とメラトニン量の増加の組み合わせがSADを引き起こすのです。(訳:tori3tori3)
(Mayo Clinic News 15 December 2012)

南方系の人の方が、開放的かつ楽天的で明るく、寒い地方の人は、シャイで口が重く思慮深そうに見えると常々思っていました。もちろん育った環境が一番なのでしょうが、気候や風土も性格形成に大きな影響がありそうです。