Palais Garnier

Palais Garnier

お風呂にゆっくり入る習慣が、フランス人にも見直されている。

年始年末の厳寒でパニック気味だったフランスも、その後は比較的過ごしやすい気温に落ち着いている。グレーの空に覆われたパリの冬は、11月下旬から3月中旬までと長い。1年の半分近くを暗く憂鬱に過ごすのはもったいない。元気を保つコツは、お風呂と睡眠。

フランス女性の70%が「ときどき」、25%が「週一回」。これは、フランス人の湯船につかる頻度を調べたある統計結果。
ほとんど毎日お風呂に入る日本人には意外なことだが、お風呂にゆっくり入る習慣が、フランス人にも見直されている。

心身をリラックスさせるには、熱いお湯につかるのが効果的というもの。フランスの水は硬質なため、エッセンシャルオイルやムサン(発泡剤)などを加え、肌にやさしい水質にする。さらに、血行を良くする成分や、やすらぎを与える香りなど、入浴を楽しめるグッズも充実だ。

お風呂は、睡眠を促進する役目も果たす。パリでは、不眠症に悩む人も少なくなく、快適な眠りへの関心も高い。
ドーバー海峡に面したノルマンディー地方には、入浴効果を利用し、不眠症を解消するタラソセラピーがある。1日5回のケアの合間に、ラベンダーとメリッサのエッセンシャルオイル入り海水風呂に15分つかる。この薬用風呂に加え、プールで30分間の精神集中効果治療を行う。特製のメタルの上に乗り、暗闇のプールに浮かび、海底から聞こえてくるリラクゼーション・ミュージックに耳を傾ける。1週間このセラピーを続ければ、睡眠のリズムも正常に回復するという。このタラッサ・ディナルはダブルルーム1泊朝食つきで1,045₣(フラン)程。ちょっと贅沢な入浴をエンジョイしたい人向けだ。

ところでフランスでは”FUTON”が注目されている。畳をベッド代わりにし、布団を敷いて寝るという、日本風寝床のことだ。固めの畳が背中にいいらしい。

お香を焚き、フトンで寝るのが、トレンディなパリジェンヌ・ライフになりつつある?

(1997/2/15)
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