ヨーダの噴水
"スター・ウォーズ"を作り出したジョージ・ルーカスが、サンフランシスコに引っ越して来た。
もともと、ゴールデンゲート・ブリッジを渡って北に位置するマリン・カウンティにオフィスを構えていたが、そのオフィスの一部を移転して、1480エーカーの広さをもつ市内国立公園プレシディオ内にある、放置されていた米軍人病院とその駐車場があった23エーカーの土地に"Letterman Digital Arts Center"としてオープンすることにした。
センターの正面ドアのところにはジェダイマスター・ヨーダの噴水があり、ホールにはストームトルーターの衣装が飾られているとか。
オフィスや職員の本格的な引っ越しは7月に入ってから始まったが、6月25日(土)、2000人の関係者たちを招いてのピクニックでその使い初めが行われ、6月29日からセンターのキャンパス敷地内が一般に開放された。
映画やゲームのための視覚的イメージを作り上げ、デジタル映画やビデオゲームの作成に専念するというこのセンターは、4つの大きなビルディングで構成される巨大なデータセンター。長さにして600マイル(960Km)ものケーブルがビルに張り巡らされていて、1500人の職員を結ぶという。
300以上もの10ギガバイト・ポートをもつデータネットワークも構築されている。また、すべてのアーティストのデスクトップが光ファイバーケーブルによって結ばれ、高画質のデジタルフィルを瞬時に共有することができるという。まさに最先端をいくオフィスと言える。
1977年(日本では1978年)に第一作目が上映されたスター・ウォーズ。今回の六作目のエピソードで完結する。第一作目を子供のときに目にした年齢層の人たちにとっては、まさに懐かしく、特別に思い入れがある映画だろう。
この28年の間に、六作を通して映画の視覚的出来栄えが大きく変遷している。年とともにデジタル化技術が画期的に進歩していった結果だろうが、この新しいセンターの概況を聞いただけでも、素晴らしい映像を作り出した技術を裏付けているのかもしれない。
残念ながら、職員でない限りは、厳重なセキュリティによって守られたこのセンターの中には入れないが、併設のカフェは一般に開放されているし、様々な色に染められた大小の木々や花々を眺めながら、池に流れ込む小川に沿って、キャンパス内を歩いてまわるだけでも楽しいだろう。
国立公園内で商業上の開発が進むということで、ルーカスの率いるオフィスが入り込むことに反対者も多いが、市内に新しい熱いスポットが誕生したことは間違いない。
散歩を楽しんだあと、カフェで一服なんていかが。ひょっとしたらジョージ・ルーカスが隣に座って、寛いでいたりするかもしれない。