サンフランシスコの和風お弁当

日本食イコール健康食

ランチの時間や軽い食事をしたいときなどによく行くのが、調理済みの食品を売っているDeliの店。
そのまま食卓に出したり、その場で食べたりすることができるパスタサラダやポテトサラダ、ラザーニャ、チーズ、ハム、ミートボールなどが並んでいる。スーパーのなかにデリのコーナーがあったり、もちろんそれだけで独立したデリの店もある。
日本でいうデパートの地下食品売り場やスーパーにある惣菜コーナーのようなもので、好きな品を好きなだけ買うことができる。

市内にあるデリのなかには、日本食に注目して、ほうれん草の胡麻和え、やさやいんげんのピーナッツ和え、豆腐の味噌あんかけ、ヒジキと大豆の炒り煮、揚げたてのポテトコロッケやカニコロッケなどを売っているところがある。
さすがに鯖の塩焼きや大根や芋の煮付けなどといった、どっぷりと日本的なものはないが、健康的と言われる材料がうまく調理されたものが置いてある。味付けは濃い目で、味にメリハリがつけてあるから、西洋料理のようにはっきりした味を好む人たちにも違和感を与えないようにしてある。

弁当はこんなデリの人気商品でもあるようだ。一つの箱のなかにいくつもの品数の食品が少しずつ入っている弁当は、ミネラルやビタミンが豊富で、低カロリーで栄養バランスがとれているからだろうか。

日本食といえばイコール健康食というイメージがしっかり根付いているから、脂肪や糖質の摂取が多く、野菜の摂取が少ない、偏った食生活になりがちな人たちから見ると、こんなデリは、まさに健康的な食品が陳列されているショーケース。
だから、そんなデリは純粋に日本食が大好きな人たちだけでなく、たくさんの健康志向の人たちを魅了する。

ランチ時間を使ってジムで汗をしっかり流したあと、軽い食事をとるために立ち寄る人たち。積極的にダイエットに取り組んで、食事からとるカロリーに目を光らせている人たち。
そんな人たちが定期的にのぞく日本食デリ、惣菜屋さん。ジムのバックを足元に置いて、ミネラルウオーターを飲みながら、弁当を食べたり、コロッケやほうれん草の胡麻和えを食べている人たちは、それだけで絵になってしまう。こんな惣菜屋さんは洒落たデリカテッセンとして、健康意識の高い先端を走る人たちで賑わう。

こちらにきて、日本食が恋しくなったら、こんな惣菜屋さんをのぞいてみるといいかもしれない。せっかくサンフランシスコにいるのだから、メインはやっぱりこちらの食事を試してほしいけれど、合間にちょっとだけ日本食で息抜きがしたくなったときに、こんなところに立ち寄って懐かしいヒジキをほおばったりすれば、長旅で疲れた胃がすっきりとするかもしれない。

(2006/02)
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