楽譜

忍耐力や集中力が向上

昼寝の時間帯にクラシックミュージックをかけるという保育園がある。そうすると、園児たちがよく眠ってくれるとか。

集中力の落ちる子供たちや、忍耐力の乏しい子供を対象に、太鼓打ちという音楽に触れさせるだけで、子供たちの忍耐力や集中力に向上がみられるようになるとして、市内の公立の小学校や少年院などで、そんなドラム療法が取り入れられているという。ドラムを打ち鳴らしながら、みんなが一緒になって練習し融合する。演奏が完成したときの快感が努力をすることの大切さを教えたり、満足感を生みだし、協調性などが培われるらしい。

また、市内には、精神的な発達障害や問題をかかえる小中学生から大人までを対象に、ひとりひとりのケースにあわせて音楽を使って、ミュージックセラピストと称する人たちが、それぞれが抱える問題を軽減したり無くしたりする、治療センターがある。

どうも音楽とは楽譜を追ってメロディーを演奏するだけのものではないし、また、その音楽を単に聴くだけのものでもないようだ。いろいろな楽器を使って演奏練習をすること。ほかの人たちやほかの楽器たちとともに同じ音楽を奏でること。できあがった音楽をさまざまな状況にあわせて聴くこと。そのすべての過程や結果にその意味と効果があるということらしい。

音楽が私たちのマインドに強い影響を与えるというのは、誰もが経験済みのこと。ある音楽を聴くと、その音楽を聴いていたころの生活や身の回りのことを思い出し、とりわけ特別な思い出に関係があればその出来事を懐かしむことになる。いらいらしたりなんとなく落ち着かないときに、静かな音楽や気に入った音楽を聴くと気持ちがほぐれて和んだりもする。
また、落ち込んでいるときに、悲しく淋しい音楽を聴いてしまうと自然に涙が流れてくる、というように。音楽は私たちの感情の動きや状態を鎮めたり、なだめたり、元気付けたり、エスカレートさせたりする。

クラシック音楽を聴きながら、香りのよい熱いコーヒーをすすり週末の朝をゆっくりと満喫してみる。お気に入りのポップミュージックのボリュームを上げて、車を走らせ遠出をしてみる。照明を落とした部屋からジャズ音楽のもれるテラスに出て、ワイングラスを片手に夜景に目を落としてみたり、と。

もやもやしたり、気になることがあって落ち着かない。ストレスを感じて、気持ちに余裕がない。そんなときに、棚に並んだCDやDVDのなかに、聞きたい音楽がないか探してみよう。こんな気分のときには、なんの音楽がいいという決まりはない。自分が聞きたいと思う音楽が、きっとそのとき、気分を変えるのに最良の音楽に違いない。

ジャンルにかかわらず、年齢を問わず、人々の生活をポジティブに変えてくれる音楽。自分の気持ちに従って、音楽を選んで、こころを暖かくしてみよう。

(2007/11)
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