子供たちに教育することの重要性
アメリカ国内の主要都市のうち、Safest Cityとしてサンフランシスコがトップ10のなかに選ばれた。
ほかにはニューヨーク、ボストン、シアトルなどがトップ10のなかに入っている。大気質、火災報知機の設置要件、プールでの安全性、自転車用ヘルメット着用規定、火災発生時の消防車応答時間、事故率、一人当たりの病院、警察、消防署の数などといった20の要因について考慮した結果となっている。
トップ10のなかに選ばれたからといって、すべてに関して安全という意味ではないけれど、安全に生活を送るための一定レベルの条件が整っている街と解釈できるだろうか。
この発表がされた背景には、市や行政などに市民の安全を守るための条件を指標として示すだけでなく、家庭内で子供たちにいかに安全教育をしてほしいかという希望が含まれているらしい。
自転車に乗るときには必ずヘルメットをかぶるように、大人が見本をみせると同時に子供たちにきちんとかぶらせる習慣をつけさせる。電気、ガス、ヒーターなど家のなかで何が危険なものなのか、危険になりうるものなのかをきちんと子供たちに知らせるのと、何かが起こったときの対処の仕方などを家族ぐるみで考え、子供たちに教育することの重要性を改めて指摘している。
9月には、サンフランシスコの15Kmほど南に位置する街で、ガス漏れから発生した爆発とそれによる火災によって8人もの命が犠牲になり、50近くの家が全壊し、そのほかにも多数の家が損壊した。
この地区にガスを供給するPG&Eはサンフランシスコをはじめこのベイエリア一体にガスを供給している。
これをきっかけに、ガスの配管パイプに亀裂が発生する可能性がないか一斉に徹底的に調べているらしいが、この事故は決して他人事ではない。
このベイエリアには地震を起こす断層が走っている。21年前の10月にもマグニチュード6.9の地震が起こり、サンフランシスコでも大きな被害がでた。市内では今月、そのような地震を想定して訓練を希望する市民とともに救急訓練が行われた。
Safest Cityとして選ばれたからこそ、このような救急訓練の重要性を、また家庭内での安全教育の重要性を再認識してしまう。
災害には地震のような天災と、火災、交通事故など気をつければ防ぐことができる人災とがある。行政が定める指標などに従うのはもちろんだが、避けることができる人災は極力減らすように個人でも努力をしていきたいものだ。
防ぐことができない天災については、発生したときの対処の仕方をしっかりと地域ぐるみ家族ぐるみで理解しておきたい。いざというとき、戸惑うことなく行動ができるように。発生してからでは遅すぎるから。