恋はマジック
恋をしていると痛みが消える?スタンフォード大学のキャンパスで、恋の始まりにあって恋に落ちているカップルを募って調査がおこなわれた。
恋をしていると熱くした金属を肌にあてた際の肉体的な痛みのレベルが軽減されたという。恋をしているだけで痛みがなくなる。そんなマジックのような結果が発表された。
長年慢性の痛みによる苦痛に悩んでいた人が、ある時期から突然その苦痛が軽減されたというケースがある。その原因を探ったところ、時期を同じくして意気投合する男性に知り合い、ボーイフレンドとしてうまく関係が進展している過程だったという。このケースの場合も同じ結果を示している。
ふたりの仲がよくなり関係が発展していく恋の始まりの時期には、体のなかである化学物質がつくり出されるという。その物質が脊髄をとおして痛みを脳に伝達する信号を阻止するとか。また、鎮痛剤が働きはじめると活性化される脳の一部と全く同じ場所が、激しく恋に落ちている場合にも活性化されることがMRI検査によって実証された。これらは恋をしていると痛みが消えるという事実を科学的に裏付けている。
愛しているひとのためなら、暑くても寒くても、少々痛くても苦しくても、苦痛が苦痛として感じられないものだ。ボーイフレンドやガールフレンドのためなら辛いことがあっても我慢できる、と同意するひとも多いことだろう。この調査結果や科学的な事実はそんな私たちの気持ちが単に気分的なものだけではないことを語っている。
恋の行き先がいつでも幸せに向かっているとはいえない。寄り道をすることもあれば、思いもよらない方向に向かうこともある。一挙にしぼんでしまうことだってある。恋に浸っていると心配だし不安だし、嬉しくなったり悲しくなったりと、相手の反応や態度をよみながら勝手にハイになったり落ち込んだりと。辛くて苦しいこともある。でも、恋には不思議な力があり、魔力がつきもの。そして、なんといっても恋には夢がある。
それらしき人がいないかと一生懸命探しているひとがいることだろう。恋のプロセスに少しばかり疲れて、目下のところ休息がほしいひともいるかもしれない。もちろん恋の真っ只中にいてハッピーでしかたがないひとだっているにちがいない。みんないろいろな過程のどこかの時点にいる。ちょっとやそこらの痛みだったらすっかり消してくれるだけの恋が待ち受けている新しい年がやってきますように。