寛容で特異的な街
チャンスに恵まれた人がいる。フェイスブック社の社長マーク・ザッカーバーグ。ツイッター社を設立したジャック・ドーシーら。そしてヤフー社の設立者ジェリー・ヤンとデビッド・ファイロ。
野望をもって新しいアイデアと知識、技能をもってチャレンジした結果、社会から大きな反響をもらい、面白く関心をひきつけるプロダクトやサービスを創り出すことに成功した人たち。ところで、彼らがもしこのあたりではなく、シカゴやロス、ワシントンに住んでいたら、彼らのチャンスの行方が変わっただろうか。
サンフランシスコが、世界中のなかで三番目にチャンスのある街として選ばれた。ビジネスコンサルティング会計事務所として知られるプライスウォーターハウスクーパースが発表した。
もっとも革新的な経済社会を築くのに貢献した街に送られる栄誉。最先端をいく都市として社会政策を成立させ、企業ビジネスに影響を与える。様々な分野で実績に影響力を与えもする。そんな街。世界中から選んだ26の都市をランクづけた。ニューヨーク市がトップに輝き、その次にランクされたトロント市のあとにサンフランシスコ市が選ばれた。
桁外れの住みやすさと住み心地のよさがあり、安全や治安危機管理システムが行き届いている。また、電気ガス水道や道路や輸送機関システムなど生活の基礎となる設備が整っている。しかも影響を生み出す独特の文化もある。コスト面でもよい意味で競合しているといったことなどが決め手だそうだ。知的資本に富み、住み心地のよさとともに経済に活気がある。そんな街といえるのかもしれない。
市内には、コミュニケーションサービスを提供するツイッター社のほか、最も大きなソーシャルゲームの開発会社Zyngaや、レストラン、バー、ビューティサロン、医者などをはじめ様々なビジネスに対する批評を書くローカルレビューサイトをつくるYelp社もある。居心地のよい街なら、会社が集ってくるし、その会社がうまくビジネス発展をすれば、多くの市民を職員として採用することにもなる。
そうすると、生活しやすい街として人もどんどん集ってきて、市が潤っていくことになる。会社に対する税金削減や職員へのストックオプション税金削減など、さまざまな手段を作ってサンフランシスコが会社を誘致しようとしている理由でもある。
自由奔放な街としても知られるサンフランシスコ。とても寛容で特異的な街。この街に住んでいるだけで、チャンスが回ってくるという意味ではないけれど、努力とやる気、それに新鋭のアイデアなどがあると、それが育っていく土壌があるのかもしれない。
チャンスは待っていてやってくるものではないだろうが、こんな街ではつかむチャンスの可能性が高くなるのかもしれない。意欲的なあなた、試してみませんか。