エコール・ミリテール駅

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アーユルヴェーダ

最近のヨーロッパは、西洋医学よりも、伝統的な療法を見直す傾向が強い。これは、美容の分野にもいえることで、中国式漢方や日本式指圧、アラブ式風呂など、パリジェンヌもさまざまな方法を試している。珍しいもの好きの彼女たちの間でこのところ注目されているのが、インド式ダイエット「アーユルヴェーダ」だ。

古くからインドに伝わるアーユルヴェーダは、体と心、人間と自然をベースとした治療法。病気を直すというより、病人を癒すのが目的とされる。アーユルヴェーダで用いられる食事療法は、脂肪、たんぱく質、炭水化物といったものではなく、それぞれの人のタイプに合わせた類型学的なもの。機能不全の原因を取り除き、心身のバランスを整えていくのだ。

インド式ダイエットの基本は、人間を3つのタイプに分類し、各自に適した食生活をおくるということ。情熱的で活発、短期なタイプの人はピタ(Pitta)に属する。このような人は熱気を鎮めるような冷たい食事、サラダなどを選び、酸性のもの、塩気やスパイスの強いものは避けるのがいい。冷え性で空想がち、情緒不安定の芸術肌の人をバータ(Vata)と呼ぶ。
このタイプは、スパイシーでこってり脂っこい食事をし、生ものや乾燥したもの、サラダなどの冷たいものはできるだけ避ける。また、食事の時間がまちまちになりがちなので、規則正しい食生活を心がけるとよい。

肉付きのいいぽっちゃり型で、性格が温厚なカーパ(Kapha)タイプの人は、辛いものや苦いコーヒーなどの刺激物が好み。野菜、アプリコットやプラムなどのフルーツをとり、スパイスを上手に利用して、食欲を満足させるのがポイント。アーユルヴェーダの5要素は、地、水、火、空気、そしてエーテル(天空)。

バカンスで自然に触れたパリジェンヌにとっては、理想のダイエット法といえるに違いない。

(1998/9/1)
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