匂い隠しの強い香水は時代遅れ
珍しく今年の夏は30度を超す日が続き、クーラーを使う習慣のないパリでは、暑さをしのぐのが結構大変。地下鉄などでは、ムッとした熱気と強烈な体臭で頭がクラクラ。デオドランド商品の消費が、アメリカの80%に比べフランスは16%というから納得だ。でも香水には高い関心がある、とは、匂いを元から断つもがモットーの日本人には不思議な話。
しかし、匂い隠しい強い香水を振りかけるのは時代遅れ。最近は、軽い香りで、肌をリフレッシュさせながら保護し、しかもアルコールフリーというオーデコロン系の香水が主流になっている。
全身にシュッとスプレーすれば、体からほんのり香りが漂うこの手の香水は、有名な香水の姉妹版として各社から発売された。
クリスチャン・ディオールのデューン、ドルチェ・ヴィータ、テンドル・ポワゾン、ケンゾーのパルファム・デテ、イッセイ・ミヤケのオー・ド・イッセイ、キャシャレルのオード・パラディス、ブッシュロンのオー・ド・トワレット、アザロのオー・ベル、エルメスのオー・ド・フレシュール・アマゾン、ニナリッチのデシ・デラなどなど。
さて、今年の夏のもう一つの香りの楽しみは、体の肌の渇きに栄養を与えるタイプのもの。クラランスの定番オー・ディナミザントをはじめ、ホワイトフラワーとムスクの香りのビオテルムのオー・ビタミネ、肌をみずみずしく保つ効果もあるオルレーヌのオー・リビタザント、オリゴエレメントとアロエ入りラルフローレンのオー・ド・フレシュール・フィニッシュ、ペルリエのヴィヴァンス・エ・ペティヤント。シャワーの後などにたっぷりスプレーするだけで、ボディローション代わりにもなる手軽さが受けている。
バカンスもそろそろ終盤。でも、夏の出来事を思い出す爽やかな香りは、もうしばらくの間パリジェンヌの手元から消え去りそうもない。