rue Cler の八百屋さん

rue Cler の八百屋さん

とっておきの装いにチャレンジ

11月も過ぎると、パリはにわかにウキウキした雰囲気になってくる。クリスマスの準備が始まるのだ。ショッピングストリートを中心にイルミネーションが飾られ、パリの夜景は華やかに。
もっとも豪華なのが、凱旋門からロン・ポワン・デ・シャンゼリゼまで続くシャンゼリゼ大通りのイルミネーション。広場の噴水の周りに白いクリスマスツリーが飾られ、とてもロマンチック。
その他、大きな通りから小さな商店街まで、いたるところにイルミネーションがほどこされ、年明け1週間ぐらい美しい光を放ってくれる。

デパートは建物丸ごとイルミネーションのクリスマスツリーになったりと、毎年競って派手になる。店内も素晴らしいディスプレイで客をうっとりさせる。
今年100週年を迎えるパリのデパートの老舗ギャラリー・ラファイエットは、特にクリスマスシーズンに力が入っている。もちろん、高級ブティックのデコレーションも見事。
小さなブティックも食料品屋も、ワインショップもレストランも、日本の門松のように柊の木を使った飾りを店の入り口につけ、店内も赤と緑でクリスマスのムードいっぱい。見て歩くだけでも楽しい気分になる。

クリスマスのプレゼントとして、パリジェンヌに一番の人気は香水だ。すてきな時間を演出するのに、香りはお洒落の仕上げに欠かせないもの。贅沢なボトルに入ったクリスマス限定商品を、この時期に発売するブランドもある。シャネル、ディオール、イヴ・サンローラン、ニナ・リッチなど定番の香りは、あいかわらず人気だ。

今年の秋から冬にかけての登場した新しい香水は、オリエンタルな香りをアレンジした、ミステリアスなものが多い。
キャロンのエメ・モアは、ベルガモット、アニス、クミン、カルダモンなどエキゾチックな香りにジャスミンやローズの香りを加え、「私を愛して」の名前にふさわしい香り。ニナ・リッチのレ・ベル・ド・リッチは、若々しい香りとキッチュなボトルで若いパリジェンヌに人気だ。
ジバンシーの新しい香りオルガンザは、スパイシーな香りにやさしい花の香りをプラス。ゲランのシャンゼリゼは、ミモザ、ローズ、カシスなど爽やかな甘さを表現している。
像の蓋が楽しいケンゾーのジャングル、長いボトルで話題を呼んだヨージ・ヤマモト、お香とラベンダーをブレンドしたレ・サロン・デゥ・シセイドーのアンサン・エ・ラヴァンドなど、試してみたい香りはいっぱいある。

いつもはクールなパリジェンヌも、クリスマス前はみんなかなり興奮気味。プレゼントやパーティ用品の買い出しに大忙しだからだ。
12月25日は家族と過ごすのが一般的だが、24日のクリスマスイブは恋人や友達とパーティをしたり、イベントに出かけたり・・・。

晴れの日のヒロイン目指し、とっておきの装いにチャレンジしようとはりきっている。

(1996/12/15)
こちらの記事もお役に立てるかもしれません。