スターン・グローブ・フェスティバル

夏の毎週日曜日の昼開かれるオープン・コンサート

市内サンセット地区にある、スターン・グローブ公園で毎年、6月の中旬から2ヶ月間にわたって毎週日曜日の昼、オープン・コンサートが開かれる。スターン・グローブ・フェスティバルと呼ばれている。

入場は無料で、誰でも入場することができる。1938年から始まったこのスターン・グローブ・フェスティバル。今年で65年目を迎える。このフェスティバルのために、音楽家たちは、アメリカのみにとどまらず、英国、ドイツ、ラテンアメリカなど、外国からもやってくる。
コンサートの内容はクラシック音楽から、ラテン音楽、レゲエもあれば、オペラ、バレエだってある。幅広い年齢層の市民に親しまれ、毎年、10万人の観客が訪れるという。

スターン・グローブ公園は、面白い形をしていて、公園の外側が最も高い位置となっている。だから、入り口を入ると、そそり立つ背の高い木々の合間をぬって、細い道をどんどん下ることになる。すり鉢の形のようになっているのだ。すり鉢の底には、大きな広場があり、その一方にステージが組まれる。

その反対側に、椅子やピクニックテーブルなどが所狭しと置かれて観客席となる。でも、それだけでは不十分なので、そこからどんどんうしろに向かって、すり鉢の渕にむかうように、坂を昇るようにして、木々の合間にも、それぞれに敷き物を持って人々が陣取る。

コンサートホールは、通常、一番前のあたりの席からその後ろに行くに従って席をだんだん高くすることによって、より質の高い音響効果を狙ったり、後ろの席からでも前が見えやすくなるようにする。この公園は、自然にその形が出来上がっていて、コンサートのために最適になっている。

コンサートホールに行って音楽を聞くのと違うところは、観客がみんなそれぞれに、ソフトドリンク、ビール、ワインといった飲み物や、ちょっとしたオードブル、サラダ、サンドイッチなど食べ物をもって行くところ。ピクニック気分なのだ。ワインのグラスを片手に、クラシック音楽を聞く。
ラテン音楽に体で調子を取りながら、クーラーでしっかり冷やしたビールを口にする。すり鉢の傾斜部分にいる人たちは、寝転がったりして、リラックスしての音楽鑑賞。

ユーカリの木々が目立つこの公園。自然の香りに包まれて、心も身体も、芯から寛ぐことができる。毎年、これぞと思うコンサートを決めると友達を誘って乗りこむ。楽しい昼下がりだ。

(2002/09)
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