サンフランシスコのオーガニック農園

食材の良さがもうひとつのスペシャル価値

オーガニックで育てらた野菜や果物、肉類だけを使って料理を作る。ナチュラル食材だけを使って料理を作る。そんなレストランが人気を呼んでいる。

美味しい料理をだすというのが、レストランを選ぶ大きな理由になるが、それに加えて、おしゃれに盛り付けされたり、栄養価に考慮したりと、味の上に付加価値を足すことがほかのレストランとの違いを一押しすることになる。そして、優れた食材の良さがもうひとつのスペシャル価値として受け止められるようになってきている。

ウエブで市内にある"natural ingredients restaurant"と検索するだけで、デザートショップからカフェ、レストランまで幅広くエントリーがでてくる。そのスペシャル価値に気づいた人たちが出てきている証拠だ。

大人や子供たちに自分の手で野菜を作ることを指導するコミュニティーガーデンがある。定期的にクラスが組まれ、参加者たちは土作りから始まって野菜の育成や管理の仕方を実践しながら学ぶことができるようになっている。農薬を使わず自分の手で育てた野菜。新鮮だし食べる直前まで茎につながっているから、実や葉に最後の最後まで栄養や味が集まっていることになる。

トマトなどは真っ赤に熟れるまで茎につながっているから糖度が行き渡ることになる。そんな野菜を使うと有名なシェフでなくても味が飛び切りに際立つ料理ができあがる。収穫してから消費されるまでの時間が短い野菜では、新鮮さと味が飛び抜けていることを思い知らされる。コミュニティーガーデンで収穫した野菜をその場で料理して試食するとき、子供たちが美味しさに驚きの声をあげるのがとても印象的だという。

どこでも気軽に手に入るファストフード、レンジにかけるだけでできあがる簡易パッケージ食品がでまわっている。毎日の暮らしが慌しくなってくると、自然に手にするようになるそんな食品には、往々にして体によくない不自然な材料が隠れ潜んでいる。
そんなことはほとんどの人たちが知っているけれど、やはり忙しさには勝てないために、ついつい手がでてまうことになる。でも、こんな経験を通して、みんなが料理や食品の材料自体に目を向け、簡易パッケージやファストフードとの違いを認識すれば、口にする食材は少しずつでも改善されていくことになるだろう。

不景気の風が吹き荒れて、消費者の財布の口がかたく閉ざされぎみだ。
外食産業も同じで客足が減っているという。外食の機会は少なくなったかもしれないが、食材の良さの違いに気づいた人たちなら材料にこだわるレストランを選ぶことになるだろう。

食材にこだわる人たちならば、輸送などに時間がかかっていない地元で育てられた新鮮な野菜や果物を販売するマーケットやファーマーズマーケットで材料を手にいれるだろうし、そんな食材を使って家庭で料理をすることが多くなるのかもしれない。

食材の良さを認識することが大切な一歩になること間違いない。

(2009/03)
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