ジャンクフードの精神に及ぼす影響
トゥインキー(Twinkie)というお菓子をご存知だろうか。楕円のような形の細長いスポンジケーキの真中にクリームが入っているというスナック菓子だ。こちらではどこのスーパーマーケットに行っても棚に並んでいるというしなもの。このお菓子を食べずに育つ子供はいないというぐらいに、幅広く知られ愛好されている。
このトゥインキーと言って、サンフランシスコに関連して非常に有名なのが"Twinkie Defense"だ。
1978年11月27日、当時のサンフランシスコ市長ジョージ・モスコー二と市議会議員のひとりハーヴィ・ミルクが殺害されるというショッキングな事件を引き起こしたダン・ホワイトの裁判の抗弁として有名になった言葉だ。
裁判は、もともと精神に障害があったホワイトがトゥインキーなどのジャンクフードの食べ過ぎによって、事件当時、判断能力を欠いていたとして争われ、被告弁護人の勝利で五年一ヶ月と九日の投獄生活だけに終わるという軽刑罰におさまることになった。
裁判に立ち会って判決を下した12人の陪審員は市内に住む労働者階級から選ばれていて、当時自由主義だった市長や同性愛者だったミルク議員に対して、もともと反感や抵抗をもっていたために、最高刑死刑を掲げて争った検察官の訴えを退けるにいたったとの解釈がされてもいる。
とにかく、二人の尊い命が失われたにもかかわらず、あまりにも信じがたい軽い判決だったので、いまだに"Twinkie Defense"として語られている。
ところで、ジャンクフードとは、がらくたの食品と訳せる。カロリーが高いだけで栄養価もなく、むしろ体に害がある食品ということになるだろうか。アメリカやヨーロッパでは、実はかなり前からスナック菓子や清涼飲料といったジャンクフードが精神に及ぼす影響について研究や調査がされてきたようだ。
極端な例として、ある犯罪者のグループを対象に調べたところ、ジャンクフードを食べなくなっただけで再び犯罪に走る人がいなくなったという結果が提出されている。
ジャンクフードを食べると凶暴になって犯罪を犯す、とまで極端に結論づけるのはどうかと思うが、まあ、とにかく、"何でもほどほどに"というのがこの事件や調査から言えることかもしれない。
忙しい毎日で、ジャンクフードは手軽にいつでもどこでも簡単に手に入る。味もそう悪くはないようにうまく作られている。ただその手軽さや味にかまけて食べ過ぎると、体にも精神にもよくないということなのだろう。
自分の中で、スナック菓子や清涼飲料といったジャンクフードの摂取量と心の動きとの関係をみてみてはどうだろう。心の落ち着きが無くなり、心がざわめくようなことはないだろうか。ストレスに溢れる昨今の生活で、外からやってくる非好意的な刺激は多い。
そんなとき、少しばかりそんなものに手を出すのを控えてみるといいのかもしれない。