サンフランシスコの医療用マリファナ調剤薬局

看板のない調剤薬局

カリフォルニア州の法律からすると、1996年の選挙結果以来、医療分野に限ってマリファナの使用は違法ではない。だから、サンフランシスコ市内には二十以上ものマリファナ専用の調剤薬局がある。
これはマリファナ使用許可カードをもつ、エイズや癌など特定疾患の患者を対象に、痛みや治療による副作用を和らげる手段として、マリファナを販売する施設。

画期的な思いつきともいえるが、今年になってロスアンジェルスでは、マリファナ使用の許可カードをもつ人だけが利用できる24 時間営業のマリファナ自動販売機が設置されたほど。どれも州の法律では合法とされるものだ。

ところがこれに反して、アメリカは国としてマリファナの使用をすべて違法と定義している。全く正反対のこの法律がサンフランシスコやカリフォルニア州のなかで大きく影響を及ぼしている。

2006年秋、市内にあるマリファナ販売をする調剤薬局に、国の麻薬取締局が取締りに入り、何人もの職員が検挙される結果となっている。この突然の検挙を受けてか、翌月には、ほかの犯罪と比較して、成人によるマリファナ栽培や販売を優先順位の高い犯罪として扱わないと、サンフランシスコ市議会が決定したほど。国からの圧力に対して、こんな重要度の低い犯罪に対応するよりも、市には取り締まらなければならないもっと悪質な犯罪があると訴えでもしたいかのように。

そんな国からの取締りに対応するものなのか、それとも薬物犯罪者を刺激しないようにするためか、さまざまな理由が考えられるが、調剤薬局には大きな看板もなければ、何をしているかという様子も外からは一切見えないようになっている。ただひっそりとたたずんでいる。

昨年末、そんな調剤薬局のビルのオーナーに、国が薬局を閉じなければ犯罪者として逮捕するという公文書を送りつけたとか。その結果、すでにドアを閉じたか、あるいは閉じるという予定になっている薬局がすでに8箇所あるらしい。
マリファナを対症療法の一環として処方され、実際に使用している患者たちからは悲痛の声があがっている。

こんな正反対の法律が共存してしまうのは、民主主義を大きく掲げるアメリカだからかもしれないが、とまどうのは市民であったり州民だったりする。もちろん、マリファナのお世話になどならなくてもいいように重大な病気にならないようにすることが一番大切なのだろうが、もしいったんなってしまったら、こんな国と州や市の法律の狭間に入って苦しまなければならないのだろうか。

(2008/02)
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