アーティチョーク

抗酸化物質ナンバー1

この時期になると、あちこちのスーパーマーケットに並ぶ野菜がある。葉でできているが松ぼっくりを大きくして丸くしたような形をしていて、緑色だったり、多少紫色がかったりしているアーティチョーク。

ウロコのようなひとつひとつの葉には鋭い棘がついている種類もあるので調理をするときには気をつけないと怪我をしてしまう。種類によってサイズは直径5-6cmの小さなものから10cm以上もある大きなものまで様々なものが販売されている。サイズや種類によって食べ方をかえて楽しむことができる。

葉を剥がすのに手間がかかるのと、そのときに手や爪が黒くなるほど出てくる灰汁のことを考えると面倒な野菜だけれど、その美味しさを味わってしまうとこれがやみつきになってしまう。南ヨーロッパ地中海沿岸で多く産出されるようだが、アメリカのなかではカリフォルニア州で栽培されている。一つ一つの葉の厚くなった付け根の部分や全部の葉を取り去ったハーツと呼ばれる花托の部分を食べる。

アメリカ人がよく食べるのは大きなアーティチョークで、上部を2-3cm切り落とし、なべにアーティチョークの下部が隠れる程度の水を張って煮たり、蒸したりしたもの。一枚一枚の葉をはがして付け根をバターやマヨネーズを基調にしたディップにつけて、付け根の部分を歯でしごくようにして食べる。簡単に調理ができて、アメリカ人らしい食べ方だ。
小さなアーティチョークはそのまま油で揚げて食べるとカリカリした食感で口当たりがよい。手間をかけてもよいという人は、ウロコのような葉を全部取り去ってハーツだけを取り出して、炒め物にしたりして食べる。

無脂肪で低カロリー低ナトリウム。しかも高いビタミンC 、カリウム、マグネシウム、葉酸を含み、食物繊維に富んでいる。こんなアーティチョークは、血中のコレステロールを分解してコレステロール値を下げる作用がある。また、乳がん、子宮がん、大腸がん、直腸がんなどさまざまながんの発生を抑え、心筋梗塞や心臓発作、認知症やアルツハイマーの予防効果もあるとか。

米国農務省が行った研究調査によれば、飛びぬけた抗酸化物質をもつナンバー1の野菜としている。抗酸化作用によって慢性疾患を予防し老化防止に貢献するだけでなく、肝臓機能を高め、二日酔いの改善にも役立つとしている。

日本のスーパーマーケットではあまり見かけない野菜だけれど、栄養価やその価値を考えるとなかなか無視できそうにない。生の野菜としてはあまり販売されていないかもしれないけれど、瓶詰めや冷凍になったアーティチョークは手にいれることができるだろう。サラダにいれたり、付け合せとして野菜の炒め物のバラエティとして加えることもできる。
ほかにも食べ方はウエブで探せばかなり出てくる。もっと食生活に取り込んでいきたい野菜のひとつだ。

(2011/07)
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