目指す方向は同じ
iPhoneや、iPad、iPod、iTuneなど多くを生み出したアップル社の前最高経営責任者スティーブ・ジョブズ氏が亡くなった。
長く癌と戦いながらも、会社の指針を示しながらその運営に全身全霊をそそいだ。ほんの数ヶ月前まで最高経営責任者として立ち回っていた。アップル社といえば、ジーンズ姿で新製品をアピールする彼の姿が定番だった。誰にとっても予期された結果だったけれど、彼が亡くなったというニュースは大々的に取り上げられた。アップル社のあるサウス・ベイだけでなく、サンフランシスコでは、アップル社の製品を持ち寄って集った人たちが彼の死を心から悼んだ。そして世界中でこの大きな喪失を悼む人たちが追従した。
彼の姿とその周りの人たちを見ながら、ずいぶんと考えさせられた。10歳代や20歳代のころには考えなかったこと。あとどれだけ人生があるかではない。どんな人生をこれからおくることができるのかだ。まだそんなことなど考えたこともない人たちがたくさんいるだろうが、そんなときが誰にでもいつかやってくるような気がする。
過去を振り返って、自分がしたことしなかったことについて後悔したり安堵したり。恥ずかしくなったり、喜んだり誇りに思ったり。でもある時期から昔のことを振り返るよりも先の人生をどうするのかがもっと重要に思えてくるようにならないだろうか。過去に起こったことやしたことを変えることはできないけれど、未来はこれから創り上げることができるから。
将来精神的にも経済的にも心配なく安定した生活をしていきたい。伴侶や家族、友人と一緒にいたい。充実しているという実感をもって楽しく幸せに暮らしていきたい。様々な思いや願いがあることだろう。誰かのためではなく、自分を中心に考えるときがやってきてもよいのではないだろうか。
やりたいことに熱中し、家族や友人など周りの人たちとともにその満足感や幸せ感を共有することができればすばらしいと思う人たちがいるだろう。世界中や多くの人たちのために、偉業を残すことが生きがいと思う人もいるかもしれない。人それぞれスケールの差があり、ものさしが違っても、考え方や目指す方向は同じような気がしてならない。そんなことをスティーブ・ジョブズ氏の死をみながら考えってしまった。
時間は刻々と前に向かって流れていく。二度と繰り返すことができない、変更できない自分の歴史や未来。目標やターゲットをしっかりと見定めて、実現したい夢やいままで実現できなかった夢を追ってみてはどうだろう。大きくても小さくても、夢のある人生を描いていきたい。