プランタンのレストラン

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「つるるん」「ぷるぷる」は翻訳困難?

パリジェンヌはお洒落で美容にうるさい、というのは嘘ではないが、今、世界で一番ビューティーおたくは、日本人女子だろう。巷にひしめく美容グッズの数には、圧倒される。しかも、「つるるん」「ぷるぷる」と言った、フランス語には訳せないようなネーミングがいい。

眉毛用の繊細な毛抜き、部分カールのビューラーなどなど、今や日本人には常識的なものでも、外国人にはとても珍しいものに思えてしまうのではないだろうか?ホワイトニングや毛穴の黒ずみ落としパックが、パリでブレイクしているように、日本製ビューティーグッズは、かなり注目されている。

パリジェンヌと日本人。美しくありたいという意識は同じでも、好みのコスメは違うようだ。「角質をとる」「毛穴の汚れをとる」「余分な油をとる」と、とにかく日本人は”とる”ことが好き。清潔がモットーのお国柄か、まずはいらないものを取ってから、がスキンケアの基本のようだ。
一方、パリジェンヌは、「肌の機能を元どおりにする」「シワを減らす」「顔色を明るくする」など、若さを保つのが第一目的。汚れ落としには、いまいち無関心な人が多いともいえる。彼女たちにとって大切なのは、「リッチ感」「なめらかさ」らしい。キッチュな製品に頼るより、いかにも効きそうな方法を追求するのがお好みといえる。

物質的なものより、精神的なものにポイントをおくのも、フランス式だ。それゆえ、目の回りのお手入れに、ヨガや太極拳をとりいれたり、皮膚科系の化粧品に人気が集中したりする。このところコスメ業界では、精神的な効果を考慮した化粧品の研究が積極的に行われている。神経学や心理学の専門家が、化粧品開発に協力しているのだそう。

国民性による知覚の違いは、氾濫している化粧品を見れば一目瞭然だ。

(1999/1/1)
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