長期有給休暇が始まったのは、60年ほど前。
7月14日の革命記念日が過ぎると、パリの雰囲気はガラリと変わる。観光客と住人の比率が逆転してしまったかのようだ。観光スポット以外は、車も人も少なくなり、ひっそりとしてしまう。
フランス人のバカンスは有名だが、この長期有給休暇が始まったのは、60年ほど前のこと。2週間の休みが、戦後、4週間に延長。不景気のご時世、1ケ月のバカンスをとる人は5%だけだが、45%近くのフランス人が、2週間以上の休暇を楽しんでいる。
バカンスの目的は、家族でくつろぐこと。彼らが選ぶリゾート地は、1位が海、2位が田舎、3位が山。高級リゾート地として知られるのが、地中海沿岸のコート・ダジュールだ。ニース、カンヌ、サント・ロペなどは、フランス人にとっても憧れのバカンス地。カンヌから車で約1時間のところにあるグラースは、歴史的な香水の街。また、ニースから近いモナコには、優雅にくつろげるエステティックセンター、テルム・マラン・ド・モンテカルロがある。
そこで、気になるのが、日焼け対策だ。バカンスの必須アイテムは、サンケア化粧品。美しく焼く、白さを保つといったことより、危険な日焼けを予防し、肌を正常に保つことを優先する。太陽から肌を守るため、まるで、常備薬かのように、サンケア化粧品を携帯するのである。
雑誌には“バカンスの星占い”が特集され、テレビで各地の海水温度予報が放映されるこの時期。休暇プランについてあれこれ悩み、憂鬱になる人も少なくないようだ。フランス人のバカンスへの入れ込みは、ちょっぴり大げさで、滑稽だったりもする。(統計は、マダム・フィガロより)
(1997/8/1)
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