ウォーカーズ・パラダイス
ある会社が発表した資料によると、米国内にある40の大都市のなかで一番ウォークァブル(walkable)な都市としてサンフランシスコがトップに輝いたとのこと。100点満点のなかで86点を修めた。
居住者が食料品店、コーヒーショップ、レストラン、映画館といった日常生活に欠かせない場所にどれだけ近く住んでいるかというスコアで計算されているらしい。サンフランシスコを追って、ニューヨーク83点、ボストン79点と続くらしい。
生活に必要なものを手に入れたり必要なことをするのに、歩いて出かけることできる。ということは、車を運転することが少なくなるから資源の無駄遣いを減らすことになるし、その結果、車から排出される温室効果ガスを減らすことにもつながる。それに、いつでもどこでも歩いて目的地に出かけるから、適度な運動にもなる。まさに一石二鳥とも三鳥ともいえないだろうか。
ご存知のとおり、サンフランシスコは坂で有名なまち。ダウンタウンであろうが、住宅地であろうが、大小の坂がいたるところにある。上り下りしやすいように歩道に階段が作ってあったりと、そんな坂道には工夫がこらしてあるだけでなく、歩く人たちが多いからこそ、歩くことを楽しむことができるように、歩道などに木々や草花が顔をならべ、季節の香りを演出していることが多い。
街路樹や草花は市が通りの一部として植えたものだったり、そこの住人たちが家のまわりに植えたものだったりする。こんな歩道を歩くのは変化に富んでいて楽しくもあり、心地よくもなってくる。
市や住人たちのそんな努力もあって、サンフランシスコはまさにWalk-Ableな街といえるのかもしれない。郊外に引越しただけでウエストのサイズが大きくなったという声があがるように、歩きやすさや、歩く距離、楽しく歩くという条件は郊外に出ただけで変わってしまうようだ。この街は歩くこととうまく愛称が合っている。
サンフランシスコ市内では、チャイナタウンやノブヒル、ヘイト・アシュベリーなどを含む17地区が90点以上のウォークァブル・スコアを獲得しているとか。まさに、サンフランシスコはウォーカーズ・パラダイスなのかもしれない。
中国人の経営するレストランや小売店がひしめき合うチャイナタウン。1960年代のアメリカの香りがいまだに漂うヘイト・アシュベリー。高級なホテルや居住ビルが立ち並ぶノブヒル。市内には雰囲気や味が全く異なるエリアが散在している。
歩いて回るからこそ、その特徴を肌に感じることができる。この街を訪れたら、是非とも、歩いてあちこちを探索してみてほしい。
参考:walkscore.com by Front Seat