サンフランシスコのドラッグストア

実用的な国民性

「現在飲んでいるサプリメントはありますか。」病院や医院で必ず聞かれる問診項目のひとつ。現在かかっている病気やそのために飲んでいる薬がないかという質問と同様に看護師が聞いてくる。サプリメントは日常生活のなかにすっかり溶け込んでいて、そこから起こる健康障害があるという証明だろうか。

薬局をはじめスーパーマーケットなどにあるサプリメントコーナーは半端なスペースではない。一列だけでなく数列にもわたって何段にもなった棚の列が立ち並んでいる店もある。男性用、女性用といった大きな区別だけでなく、年齢差、何の症状改善や予防に役立つのか、補給をする成分は何かなど、様々な区別によってところ狭しと栄養補助食品が販売されている。

こういうと語弊があるかもしれないが、アメリカ人はとても実用的だから体に必要なものを楽な手段で手っ取り早くとりたいと思っているところがある。あの野菜が体にいいから、このミネラルが体に不足しているから、この栄養素はその症状を予防するから、などといって食事の献立を考えたり実際に作ったりするのは確かに面倒だ。まして、アメリカではメニューのバラエティさを考えてみても、野菜が少なく肉中心に偏りがちな一般的な食事内容を考えてみても、献立を工夫して必要な栄養素を食事から補給しようというのはとても大変なこと。

それだったら選ぶのに多少時間を費やしてでも、店の棚に陳列されたサプリメントの錠剤を毎日飲んだほうが簡単だし最小限の努力ですんでしまう。自然な発想なのかもしれない。

食べ貯めができないために毎日摂取することが必要なビタミンやミネラルなどを性別や年齢層に従って、必要量を一粒からまとめて補給する総合サプリメントは人気がある。補給したいビタミンやミネラルのサプリメントをひとつひとつばらばらに購入するのに比べて安価なのと、成分がからだに最大限吸収されるようにビタミンなどがあえて添加してあるサプリメントを、自分で組み合わせて飲むことによって起こる過剰摂取の可能性を避けることができるという利点もある。

たかがサプリメント、と思いがち。よいつもりでとっているミネラルによって体の調子がくずれたり、ビタミンの取りすぎで体の異常が起こっているなどと思いもよらない人が多い。だからこそ、知らないうちの過剰摂取からくる弊害を症状に受診する人も少なくないのかもしれない。それが問診項目のなかに含まれている理由に違いない。

毎日食事からすべての栄養素をとることが一番だ。でもそれができないとき、サプリメントは役に立つ。でも栄養補助食品はあくまでも補助するものであって、過度に頼るものではない。しかも即効性のある薬と違って用法や容量を軽視しがちだが、正しく摂取しないと健康障害を生むものでもある。うまく賢くサプリメントとつきあっていきたい。

(2010/06)
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