25.「成人病予防」を冷静にみなおす。検診、予防、服薬のすすめを冷静にみなおす時。

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成人病検診が寿命の延びにほんとに貢献しているのか?

前回は、自分の健康に気をつけ、服薬したり、ジョギングしたり、禁煙したり、節酒したりしている人々の方が、身体や健康に無頓着で野放図の人々(つまり健康雑誌・健康番組はみない、私ども医療機関での指導は受けない、ドッグは勿論受けない人々)の方が元気で長命である、という驚くべき調査結果をお伝えしました。勿論、無作為に選んで研究したので、もともと後者は元気で病気知らずの人々だった、のではありません。

この研究結果をみて、嘘だ、でたらめだと製薬メ-カ-を筆頭にした現代医療を担っている人々のほとんどが無視することはわかりきったこととして、私たちはどんなことを考えなくてはいけないでしょうか。
現代における、医療、医学、健康、健康観、健康産業etc、あらゆる問題性を含んでいますから、実に様々なことが考えられます。

なかでも一番大きな問題は、病気や外傷は医者の勝手で増やせないけれども、「病気の予防」は、医者でも製薬メ-カ-でも牛乳メ-カ-でも「創りだす」ことができるということでしょう。
消費者たる患者さんは、具合わるいことが起こらなければ病院に行かないし、薬も服まない。けれども薬や牛乳や健康食品のメ-カ-は、具合わるい人々だけでは消費が伸びないから、「よりよくなる為に」、「病気にならない為に」、「服んでおかないと病気になるよ」という宣伝をくりかえします。経済用語でいう「需要を創出」することはいくらでもできるのです。

そして、疑り深い人々には、医者が科学的と称して、コレステロ-ルや血圧を数字であらわし、こうした宣伝の尻馬に乗ります。医者、医学者が業界の利益のためには、自分の栄達のためにはどんなに盲目になるか、そのためにエイズになった不幸な人々もいる、といったことを新聞記事で何度読んでも自分のこととは結びつかない。

こうして、ほんとに予防を必要とする高血圧の患者さん1人に対して、10倍~100倍の人々が降圧剤を服用しています。
どうして寿命が延びたのか、冷静にその理由を考える時期がきている。ほんとに医薬が国民ひとりひとりにゆきわたったためだったか?予防医学、成人病検診が寿命の延びにほんとに貢献しているのかどうか。たとえば25年まえ、「男性は胃癌よりも肺癌が、女性は子宮癌よりも乳癌がトップになるでしょう、食生活のアメリカ化がこのまま進めば」と予測されていました。どうですか。

そのとうりになりました。食生活はこんなにはっきりと癌に影響しているのに、薬や検診はなんと無力だったか。検診、予防、服薬のすすめ、こうした医療の姿を冷静にみなおす時がもうきています。

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