サンフランシスコの独立記念日イベント

独立記念日はサンフランシスコでもなんと言っても花火です

1776年7月4日、アメリカは英国から独立を宣言した。
この日を祝って、7月4日(フォース・オブ・ジュライ)には、毎年アメリカ各地で独立記念パレードなどの特別イベントが催され、夜になると、赤、緑、オレンジ、紫、何種類もの色と形をした花火が胸にこだまする爆音とともに空を染めあげる花火大会が行われる。ここサンフランシスコでも同じく独立記念日をお祝いする。

日中は、ピア39からフィッシャーマンズ・ワーフを過ぎてギラデリ・スクエアまでの間、通りは歩行者天国となり工芸品やジュエリーなどを並べた露店や、楽器の演奏やパントマイムをするストリートパフォーマーがとおりに散らばって行き来する人たちを楽しませる。
ピア39のステージではアメリカらしくカントリーミュージックのショーなどが行われ、ぎっしりと観衆で詰まった会場を熱気で盛り上げる。アメリカ国旗をなぞらえて赤、青、白色の風船があちらこちらに飾られ、ウオーターフロント・パーティは一日中賑やかな音楽と笑い声に包まれる。

ギラデリ・スクエアの湾側に広がるアクアティック・パークでもステージが組まれ、ラジオ局のトークショーや音楽、コメディアンのショーなど様々なエンターテイメントが次々に行われる。バックの湾にはいかにもアメリカ独立記念日と言わんばかりに、大きなアメリカ国旗を掲げた船が波に揺られて浮かんでいる。

ここは芝生に寝転がって夜の花火を見上げるには絶好の場所だけに、昼過ぎごろから沢山の人たちがサンドイッチやビールやワインを持ってどんどん集まってくる。長い一日を家族や友達同士で楽しみ、夜の花火で一気に盛り上がろうといった具合だ。

サンフランシスコでの花火大会は、西海岸の中でも最も大きいもので地元住民だけでなく観光客をも魅了する。「夏が一番寒い」と題して、サンフランシスコの気候について書いたように、この日がいつものような夏の気候パターンになると、夜、市内は厚い霧におおわれて気温がぐっと下がることになる。
そうすると、その白い霧の上部で花火が炸裂することになるから、花火をステンドグラス越しに見るような感じになる。
日本で暑い夏の夜、浴衣に身を包み団扇をもって上空に咲く花火を見るなんてイメージからすると、ジャンパーに身を包み、時折吹きすさむ冷たい風に身を硬くして上空の花火を見上げるなんて、全く違った夏の風物詩と言える。

幸い今年は、気温が例年よりも高く、霧がダウンタウンまで押し寄せてこなかったためにステンドグラス化もなく、ダイナミックでカラフルな花火が空を染め上げ、観光客も市民も大満足となった。
日本と違ってひしめき合って花火を見上げるなんて感じではない。
独立記念日を心からお祝いし、自らその意味を噛みしめて、空を仰ぐ。のびのびとした一日が盛大な花火で閉じられる。

(2003/07)
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