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10割人生はやめましょう
今月はリウマチ外来。待合室がいっぱいです。まったく多い病気ですね。特に女性に多い。出産や閉経など女性の生涯のいくつかのイベントの時期に発症することが多いのも特徴です。ひたむきに、手抜きなく一生懸命に家事や仕事に打ち込んでいるような方に発症しやすく、また皮肉にも、そうした義務から開放されたとたんに発症することもよくあります。
関節が痛んだり腫れたりするのが、すべて関節リウマチというわけではありません。
他の関節炎は概してなおしやすいので、診断をきちんと受けることです。もし「関節リウマチ(らしい)です」と診断がついたら、その日から守るべきことが3つあります。
- 寒さから関節を守る。保温用サポーターや、使い捨てカイロを上手に利用すること。
- 湿気から身を守る。フトンをよく干す。水仕事のあとには必ず熱めのお湯をボールに入れ、手首から先をつけてジーンと赤みがさすまで暖め、それから乾いたタオルでよくふく習慣をつけること。
- 10割人生の方は8割人生にペースダウンすること。
先述したように、主婦としても、キャリアウーマンとしても完璧にやり通す10割人生の方を関節リウマチは好むようで、しばしばそういう方を選んでとりつきます。
とりつかれたら、10割人生はもうやめてしまいましょう。8割くらいにペースダウンして、2割は関節リウマチの居住権を認めること、関節リウマチの顔を立ててやることです。
とりつかれてしまった自分も、とりついた関節リウマチも共に「許さん」と10割人生を頑張り抜くのも、ひとつの立派な態度ではありますが、だいたい関節リウマチという炎症に油を注ぐことになり、失敗することが多いようです。
さて、関節リウマチの半分以上の方は、Aだけで十分生活できると思います。他の方はCとなりますが、漢方薬やハリを上手に利用することで、現代薬物の占める割合をずいぶん減らして生活することが可能です。
既に副腎皮質ホルモン(プレドニン等)を服用されている方は、漢方薬はその離脱のお手伝いをしますけれども、あわてると失敗します。