「五月病」の季節です。この病気は4月の新年度に環境が変化した大学生や新入社員におこりやすいと言われ、無気力・無感動・虚脱感・摂食障害・睡眠障害・憂うつなどの症状が特徴です。
しかしこの「五月病」が死語になってきているようです。というのは、このような症状を感じる人の数が季節に関係なく増加しているからです。
そればかりか、アダルトチルドレン・不安(強迫)神経症・パニック症候群・燃えつき症候群・スーパーウーマン症候群・ひきこもり…次々と心の病みを表現した言葉が生み出されています。こうした深刻な状態に陥らない為にも、日頃から自分流のストレス解消法や癒し法をみつけておくことが大切です。
セロトニンの効果
そこで是非知っておいて頂きたいものに「セントジョーンズワート(和名:セイヨウオトギリソウ)」と言うハーブがあります。このセントジョーンズワートのサプリメント類が、ここ数年間の欧米において大幅に売り上げを伸ばしています。
原産はヨーロッパからアジア地域で、夏場に可憐な黄色い花を咲かせます。民間療法としては歴史も古く、成分中に収れん止血作用のあるタンニンを含むため、浸出液(油)を傷や火傷・腫瘍・痔などの塗り薬として、内服としては泌尿器のトラブル・リウマチ・痛風などに用いられてきました。
そして近年の大人気の理由として、成分中のセロトニンが生活リズムを整え、ピペリシン類・ヒペルフォリンが精神安定をもたらし「うつ症状」を改善する作用があるからです。もちろんこの作用も昔から知られたものでしたが、市場に出回る抗うつ剤と比べた場合、同等の効果があり副作用は非常に少ないと言う研究結果が発表されたからなのです。
セロトニン調整体操
うつとセントジョーンズワート
アメリカでは「うつ症状」に用いるサプリメントとして大変知名度が高く、ドイツでは抗うつ剤として承認されています。また抗うつ剤の常用者が薬に頼らない生活に切り替える時にも役立っています。(但し、抗うつ剤との併用は危険です。)
またセントジョーンズワートは、うつ症状の他に月経前症候群・更年期障害の諸症状の改善にもよいと言われています。以前からドライハーブとして扱っていたハーブ専門店でも、粉末をタブレットやカプセル詰めにしてサプリメントを意識した販売に力を入れています。民間薬として扱われてきたセントジョーンズワートが、医薬品として注目されつつあります。
セントジョーンズワートは別名「サンシャイン・サプリメント」と呼ばれ、名前の由来や成分中のセロトニンの作用を考えると、大変「太陽の光」に関わりのあるハーブです。「うつ症状」を感じた時、是非この「サンシャイン・サプリメント」の名前を思い出して下さい。
きっと心の闇に光をさし込んでくれるでしょう。
※妊娠・授乳中の方、乳幼児への飲用は注意が必要です。
また下記の薬を服用中の方は、治療効果が減少するなどの副作用が認められますのでセントジョーンズワートの服用はやめて下さい。
抗うつ薬、抗HIV薬、免疫抑制薬、強心薬、抗不整脈薬、血液凝固防止薬、気管支拡張薬、経口避妊薬、抗てんかん薬
薬品名・成分名など詳しい情報は、下記のHPをご覧下さい。
厚生労働省のセントジョーンズワートに関する記事