健康の増進と保健の向上を目的とした「健康増進法」
「健康増進法」は、2002年(平成14年)に制度化され、2003年より施行。特別用途食品表示制度及び栄養表示制度などを含む栄養改善法の内容を引き継いだ法律です。
目的は、「国民の健康の増進の総合的な推進に関し基本的な事項を定めるとともに、国民の健康の増進を図るための措置を講じ、国民保健の向上を図ること」です。
・生活習慣病であるがん・脳卒中・心臓病などの予防を推進。
・タバコ対策の一環として受動喫煙の防止。
・「8020」運動を推進し、歯や口腔の健康を維持。
など、健康を増進する対策を立て実行する事を法律で明らかにすることで、健康増進法とされました。
*)「8020」運動
厚生労働省と日本歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動。
国による目標指向型のヘルスプロモーション施策-「健康日本21」
●健康日本21(第1次)2000年-2012年
21世紀の道標となる健康づくり運動。
- 一次予防の重視。
- 健康づくり支援のための環境整備(地域住民として社会との関わりや環境を改善)。
- 栄養、食生活、運動、休養などのライフスタイルや疾病関連の具体的な数値目標を設定。
- マスメディア、職場、学校、地域などが連携して、適切な情報提供と、個人の健康への意識向上を図る。
●健康日本21(第2次)2013年-2022年:(第2次)
2013年度(平成25年)から行われている10年間の計画であり、健康増進法「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針」の中に、基本となる方針や理念、具体的な目標などについては、盛り込まれている。
- 健康寿命の延伸と健康格差の縮小の実現に関する目標
- 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底に関する目標
(がん・循環器疾患・糖尿病・慢性閉塞性肺疾患:COPD) - 社会生活を営むために必要な機能の維持・向上に関する目標
(こころの健康・次世代の健康・高齢者の健康) - 健康を支え、守るための社会環境の整備に関する目標
- 栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙及び歯・口腔の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善に関する目標
健康日本21(第2次)の推進に関する参考資料(厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会 2012年7月)
「平均寿命」ー「健康寿命」=要介護の期間
「平均寿命」が伸びても「健康寿命」が伸びて、差が縮まないと要介護の期間が長くなります。
平均寿命とは、死亡率にこれからも変化がないと仮定し、その年に生まれたO歳児が、何年生きられるであろうかという数値。
健康寿命とは
健康日本21(第二次)で、「健康寿命とは:日常生活に制限のない期間」と定義されています。
健康寿命の指標の算出方法については、WHO(世界保健機構)・欧州・英国・米国・日本で、下記のような違いがあります。
WHO(世界保健機構)・米国・英国・欧州27カ国の指標間での主な違いは、3つです。
- 健康な状態の概念規定
・自覚的健康(in good or better health)
・活動制限なし(without activity limitation)
・介護の必要なし(without functional dependency)
・慢性疾患なし(without chronic diseases)など - 健康な状態の測定方法
- 集団の平均の算定方法
日常生活に制限のない期間である「健康寿命」は「健康日本21」などの施策により伸びています。平均寿命と健康寿命の差が、縮んできました。年々、平均寿命も健康寿命も右肩上がりです。少しずつ成果が期待できます。
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