身体活動量・運動量の新指標
厚生労働省は「健康づくりのための運動指針2006-生活習慣病予防のために-(エクササイズガイド2006)」(平成18年7月)で、メタボリックシンドロームをはじめ生活習慣病発症を予防するための身体活動量・運動量・体力の基準値を示しました。これにあたり、それまでは肥満等にBMIでの測定が普通でしたが、新たな指標を使用しました。
その後、身体活動に関する科学的知見の蓄積されていること、また、平成25年度から健康日本21(第二次)の開始に伴って改定を行い、「健康づくりのための身体活動基準2013」及び「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」として取りまとめ、公表しています。
厚生労働省のサイト
健康づくりのための運動指針2006-生活習慣病予防のために-(エクササイズガイド2006)」(PDF)
「健康づくりのための身体活動基準2013」及び「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」について
METs(メッツ)とEx(エクササイズ)
METs(メッツ)
身体活動の強度を表す単位(運動によるエネルギー消費量が安静時の何倍にあたるかを示す)
(例)
- 1METs(メッツ)=座って安静にしている状態
- 3METs(メッツ)=通常歩行
Ex(エクササイズ)
身体活動の量を表す単位(身体活動の強度[METs]×身体活動の実施時間[時])=メッツ・時
(例)
- 3METS(メッツ)の通常歩行を1時間行う:3METs×1時間=3EX(エクササイズ)[メッツ・時]
- 4METS(メッツ)の庭掃除を30分行う:4METs×30分(0.5時間)=2EX(エクササイズ)[メッツ・時] ※ゴルフ場でプレイする時などは実質動いていた時間で計算します。待ち時間は入りません。
消費カロリー
EX(エクササイズ)×体重(kg)×1.05=消費カロリー(kcal)
METsの単位については下記リンクのメッツ(METs)表(当サイト内)を参照してください。
新しい身体活動と運動の強度-メッツ(METs)表-
目標運動量
3METs(メッツ)以上の強度のある身体活動・運動を1日60分、1週間に23EX(エクササイズ)以上行うこと。
(運動や家事など4METs以上のややきついと感じる動作を入れると不足の2METsを簡単に補うことが可能です)
特徴
メタボリックシンドロームでは内臓脂肪が重要視され、腹部の周囲の測定が外せない診断基準の一つになっています。
このタイプの脂肪は「活発な身体活動」-3METs(メッツ)以上の運動や生活活動を指し、3METs(メッツ)未満の弱い身体活動は含みません-により消費エネルギーが増え、身体の機能が活性化し減少します。その結果として、血糖や血圧、血中脂質の値が改善され、メタボリックシンドロームの予防へとつながります。
運動する時、常に考えることは、どのような種類をどの程度の強さでどのくらいの頻度でやればベストなのかということです。以前は、世界的に強い運動を行わないと効果が期待できないという風潮でしたが、現在は自覚症状として「楽である」~「ややきつい」ぐらいの軽い有酸素運動が勧められています。参考ですが、最大酸素摂取量の50%強度の運動、運動中の脈拍が110~130/分、約5METs(メッツ)程度の運動のことです。
疲労物質である血中乳酸が増えない程度と言うことになります。
新指標の「METs(メッツ)」&「EX(エクササイズ)」は、目標運動量を設定しやすく、身体活動は、日々の生活の中できるものが多いのでどなたでも取り入れ易い方法です。
メッツ(METs)表を参考に自分の生活に合った1週間に23EX(エクササイズ)以上を組み立てて見てください。
(注意)
健康であっても体力には個人差があります。ご自分のペースをきちんと守り、無理のない範囲で継続して行える方法を選びましょう。
又、既往症のある方は、かかりつけの医師にご相談の上、行うようにしてください。そして、身体の活動量を増やすだけでなく食や休養などもバランスよくとることが大切です。
(独)国立健康・栄養研究所では日常の身体活動のMETs値を、具体的な個々の行動レベルで公開。改訂版では、体重別エネルギー消費量と算出根拠となる計算式を発表しています。
身体活動のメッツ(METs)表(PDF)(2007年12月12日)
(改訂版)身体活動のメッツ(METs)表(PDF)(2012年4月11日)
(改訂版)「身体活動のメッツ表」に対応した体重別エネルギー消費量の早見表(PDF)(2015年3月15日)
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