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"NEAT : Non-Exercise Activity Thermogenesis " ニート(非運動性熱産生:日常生活行動)は、カロリー消費に欠かせない日々の動きです。評価されなかった家事の積み重ねが、健康長寿のカギ。

厚生労働省の健康づくりのための身体活動指針ーアクティブガイドー

日本人の平均寿命は、世界でも類を見ないほどの長寿を更新中。
厚生労働省は、今後、健康寿命を伸ばすことが、最重要課題であると考え、「国民の健康づくり対策」として、「健康づくり運動」を効果的に推し進め、国民の意識向上に取り組んでいます。

2006年に、生活習慣病の予防・重症化のリスクを低減し、健康寿命を延ばすために策定された「健康づくりのための運動基準2006~身体活動・運動・体力~」ですが、国民に向けて解説したガイドライン「健康づくりのための運動指針 2006 (エクササイズガイド2006)~生活習慣病予防のために~」は、国民の理解と広い普及が、不十分でした。

健康づくりにおいて、重要なポイントは、運動だけではなく、日々の生活の中で行う、身体活動(運動+生活活動)全体であり、よりわかりやすく、より実行しやすいようにすることが大切であると考え、「健康づくりのための運動基準2006(エクササイズガイド2006)」を改めて、「健康づくりのための身体活動基準2013」に改定しました。
ガイドライン「健康作りのための身体活動指針(アクティブガイド)」を作成し、具体的な方法を解説しています。
*「身体活動(運動+生活活動)」は、非常に幅広いものであることから、名称を「運動基準」から「身体活動基準」と改めました。
要介護の期間を決める「平均寿命」「健康寿命」「健康格差」とは。(サイト内記事)

身体活動とは、どんな動きの事でしょう。

身体活動とは、基礎代謝と食事誘発性熱産生を除く、エネルギーを消費する全てのカラダの動きの事です。(1日のエネルギー代謝の約20~40%をしめています)

基礎代謝は、生命維持に必要な体温維持・呼吸・循環などに必要とされているエネルギー消費(1日のエネルギー代謝のおよそ50%~70%)のことで、1日に成人は、約1,200~1,400kcal消費します。

食事誘発性熱産生 (DIT: Diet Induced Thermogenesis) は、食物の消化・吸収に必要とされるエネルギー(1日のエネルギー代謝のおよそ10%)のことです。
食事の栄養素によって(タンパク質のみは約30%>糖質のみは約6%>脂質のみは約4%)と、代謝率が違います。
普通の食事は、3大栄養素をミックスして摂取しているので、約10%です。

よく噛むほどエネルギー消費は増えると言われています。歯の健康は、カラダ全体の健康を維持する上で重要な要素です。
オーラルフレイルの早期気づきが、フレイル予防につながる。(サイト内記事)

●「身体活動」の2つの活動と動作

  1. 運動(体力の維持・向上を目的として計画的・意図的に継続して行う活動や動作)
  2. 生活活動(家事・通勤など、多岐にわたる日常生活の活動や動作)

●身体活動の増加によるメリット

  1. 健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されること無く生活できる期間)の延長。
  2. 糖尿病・心臓病・脳卒中・がん・ロコモティブシンドローム・うつ・認知症などのリスクが低減。
加齢・運動不足による筋肉量の衰えで、基礎代謝と食事誘発性熱産生は、低下します。

+10分(プラス・テン)「今より10分多くカラダを動かして、身体活動を増やしましょう」

+10分(プラス・テン)は、厚生労働省のガイドライン「健康づくりのための身体活動指針」で提唱されているメインメッセージです。
厚生労働省は、生活習慣病の予防・重症化のリスクを低減し、健康寿命を延ばすため、健康づくりにおいて、重要なポイントは、運動だけではなく、日々の生活の中で行う、身体活動(運動+生活活動)全体が、重要であると考え、普段の生活の中で、アクティブにカラダを、今より10分多く動かすことを提案しています。

健康日本21〈第2次〉(2013年~2023年)で、厚生労働省は、「健康づくりのための身体活動基準2013」の目標達成のためのツール、ガイドライン「アクティブガイド」を発表しています。

「気づき」から”始める”重要な4つのStep

<Step 1> 「気づき」
自分自身の健康寿命を延ばすために、日常生活の中で、個々のライフスタイルに合ったカラダを動かすチャンスや環境を見つけましょう。 運動習慣がある人も、無い人も、「あと+10分!どこかでできるはず」「どこだろう?」と探し出してみてください。自分自身の「気づき」。それが、大切なキーポイントです。

<Step 2> 「始める」
おっくうだと後回しにしないで、最初の一歩を踏み出して。「始める」チャンスは、今です。

<Step 3> 「GOAL」(目標を達成して健康長寿を延ばしましょう)
毎日、+10分、カラダを動かして、以前より行動的になったなと実感。
18~64歳:合計60分/1日(1日60分3メッツ以上の身体活動)
65歳以上:合計40分/1日(1日40分以上のチョコマカ身体活動)

<Step 4> 「継続は力なり」
続けられるコツは、家族や、友人と一緒に楽しく行う仲良しサークルです。 どんどん輪を広げていきましょう。
*メッツとは、身体活動の強度を表す単位(運動によるエネルギー消費量が安静時の何倍にあたるかを示す)。
生活習慣病予防の新指標METs(メッツ)とEX(エクササイズ)(サイト内記事)

+10分(プラス・テン)って"NEAT"の構成要素の組み合わせで、無理なく達成できそうです。

+10分(プラス・テン)のベース部分は、"NEAT"で!活動量(エネルギー消費量)をUPして、稼ぎましょう。
運動習慣のある人も、無い人も、活動量(エネルギー消費量)を増やして、動くこと歩くことが基本です。
活動的に過ごしている人の方が、座位時間が長い人より、運動による消費カロリーが、多くなる言われています。

"NEAT":ニート(非運動性熱産生:日常生活行動)とは?

米国ミネソタ州 Mayo Clinic の James Levine 医学博士によって提唱され作り上げられたのが、"NEAT"(非運動性熱産生:日常生活行動)という概念です。
"NEAT": Non-Exercise Activity Thermogenesis ニート(非運動性熱産生:日常生活行動)は、目的を持って行わない活動のこと。
日々のちょっとした動作、掃除、洗濯、買い物や料理などの家事や、通勤、階段の上り下りなど。評価されなかった!?動きの積み重ねが、カロリー消費に不可欠。
とにかく座位から立位で過ごせば、エネルギー消費を増やすことが期待でき、肥満の改善・予防になる。(基礎代謝量は、座位の1割から立位は2割にアップすると言われている)

Non-exercise activity thermogenesis (NEAT)/James A Levine
ながらダイエットができる”NEAT” (非運動性熱産生:日常生活行動)とは?(サイト内記事)
65歳を過ぎたら、チョコマカ動きが、死亡リスクを下げる。(サイト内記事)

"NEAT":ニート(非運動性熱産生:日常生活行動)は、できること、できないことがあります。

エネルギーの消費量が、増えてスリムになることは、期待できます。
体力向上には、有酸素運動や筋肉トレーニングなどの、運動も欠かせません。筋肉を鍛え、加齢などによる心肺機能の衰えを抑制することが、重要ですが、期待できません。ゆくゆく、筋肉の衰えが、"NEAT"効果の低下をも招くことになります。

汗ばむぐらい、中程度のウォーキングが理想的。

"NEAT":ニート(非運動性熱産生:日常生活行動) UP! で、活動習慣がついたら運動習慣を増やしましょう。汗ばむぐらい、中程度のウォーキングが理想的です。
姿勢良くしっかり歩く=踵から着地→歩幅広く(目線は10~20m先)→つま先で蹴るように(背筋を伸ばして)ちょっとキツイぐらいがちょうどイイ!中程度の動きです。のんびり歩きに、スパイスを効かせて力強く大股で速歩を取り入れてください。
健康状態を良好に保つためには1日「8,000 歩・20 分」が望ましい、と東京都健康長寿医療センター研究所の青栁幸利先生は発表しています。

東京都健康長寿医療センター研究所 NEWS (No.265 2014.11)
歩け歩けで生活習慣病の予防と改善(サイト内記事)
ひと駅歩く習慣で、認知力の衰えが防げる。(サイト内記事)

次のページでは+10分(プラス・テン)に役立つオススメのエクササイズとグッズを紹介しています。