食事会

社会との関わりの減少がサルコペニアへ

「フレイル」は、筋力・移動能力・バランス・運動処理能力・認知機能・栄養状態・持久力・日常生活の活動性・疲労感など、広範囲にわたる多側面の総合的要素があります。
2014年 日本老人医学会が、「Frailty」=虚弱の認知度を高めて、予防を促すために「フレイル」と提唱しました。

社会性とは、「人との繋がり」「生活の広がり」「誰かと一緒の食事」など、社会との関わりをもつことです。少なくなってくると「口腔機能」が悪くなったり、「精神・心理状態」の低下によって、うつ傾向などを引き起こしてしまいます。
ひいては、「栄養状態」が悪化し、「身体活動」の座位行動時間などが長くなって、サルコペニアへと向かうことになりかねません。

オーラルフレイルの早期気づきが、フレイル予防につながる。

健康長寿の秘訣は社会性を保つこと

農林水産省は、2017年/平成29年11月23日~12月17日、全国の20歳以上の男女3,000人を層化2段無作為抽出法で選び、個別面談にて行われた「共食や孤食の状況」を調査しました。
(食育に関する意識調査報告書HTML形式 2018年/平成30年3月)

結果は、70歳以上の女性では、約4人に1人が、「ほとんど毎日一人で食べる」と答えた。一人で食べることの意識調査では、「一人で食べたくないが、一緒に食べる人がいない(49.4%)」、「一人で食べたくないが、食事の時間や場所が合わないため(14.8%)」を合わせて、約60%以上の人が、「仕方ない」と考えていることが、わかりました。

孤立しないように、若い時から社会に参加し、社会性を保っていくことが、健康長寿の秘訣かもしれません。
お声がけや、気遣い、思いやりの気持ちを大切にして、心地よく過ごせる社会になるよう、始めるのに遅い早いは、ない気がします。気がついたときから始めて見ませんか。

参考資料

サルコペニア診療ガイドライン2017年版(サルコペニア診療ガイドライン作成委員会編集)
高齢者の特性を踏まえた保健事業ガイドライン(厚生労働省保険局高齢者医療課 2018年/平成30年6月12日)

食育に関する意識調査報告書(農林水産省消費・安全局消費者行政・食育課 2018年/平成30年3月)

厚生労働科学研究補助金(長寿科学総合研究事業)高齢者における加齢性筋肉減弱現象(サルコペニア)に関する予防対策確立のための包括的研究 研究班
サルコペニア:定義と診断に関する欧州関連学会のコンセンサスの監訳とQ&A

東京大学 飯島研究室