6.あなたは本当に自分に不満ですか?

ローズ

学生時代の友人の葉子さんは、とっても恵まれた人。30歳を過ぎてもお肌プルルン、小さなお顔にキリッとしたお顔だち。スリムな体型は10代そのままで、いつも今年モードのファッションをきれいに着こなしています。ルックスだけではありません。大学時代からのお付き合いの旦那様は安定収入のあるサラリーマン。
三歳になる女の子はスクスクとおしゃまに育ち、彼女自身も独身時代から勤めている広告代理店で非常勤社員として、バリバリと音たてて働いてます。ご近所に実家があるのも羨ましい現実。困ったときは、両親のサポートを得て妻、母、キャリアウーマンの3つの顔、あっ!それに全然、全く100%、所帯染みていないので、恋愛沙汰もチラホラあって(もちろん、家庭があることを自覚していますから気持ちのうえで楽しんでいる程度ですけれど)、女の顔も含めて4つの顔を持つ女なのです。

結婚しても、ママになっても、何も捨てないどころか年々パワーアップする女と仲間うちでは評判なのですが、彼女の口癖が「あ~あ、このままじゃダメ。みんなが羨ましい」。羨ましい??どっこがァ?と席を同じくした女たちが口を揃えて、その後は、自分たちがいかに恵まれていないかを機関銃のように喋りまくります。

確かに葉子さん。会う度に違うお稽古ごとをしていて、次から次へと新たな何かを始めないとアイデンティティが保てないご様子。下手に器用なもんで何をやってもそこそこイケるから、これでもない、あれでもないと渡り歩く「生き甲斐ジプシー」ではあります。でも、それだって、私からみたら、たいしたバイタリィティ。新しい何かを始めること自体が彼女らしい、誇るべき長所だと思うのです。

彼女に限らず、どうして、多くの人たちは自分に不満なんでしょう。ひとつには、向上心があるということだと思います。でも、そんなふうにプラスの意味ばかりではありません。
だって、自分の不満を語るとき、多くの人は不幸そうな顔をするから。でも、私はいつも思うのです。「本当に自分が不満なの?不満だとしたら、どこが、どう不満?その理由はなに?」私も一時期、異常に自分のいまが不満で、会う人会う人に「羨ましい」を連続する「回りが羨ましいシンドローム」でした。そうしたら、ある人に言われたのです。「そんなに自分が不満なら、何が不満かやみくもに、でも具体的に書き出してごらん」って。もちろん、書いてみました。A4の紙いっぱいに。

朝御飯を食べる時間がない、スケジュールがギッシリで大好きな映画が見れない、毎月少しづつ太っていく、通勤時間が長い、やることなすこと上司に叱責される、だいたい仕事が好きじゃない、肌が荒れる、貯金がない、回りからチヤホヤされない、天然パーマだ...。
自分でも呆れるくらい不満要素は多かったのですが、翌々日にその紙を冷静に読み返してみたら、可笑しくなってしまいました。だって、不満なことは山ほどあるのに、そのひとつをも解決しようと努力をするわけではないし、不満のひとつひとつが取るに足りないことなのです。

そして、思いました。「幸せだな」って。そのときから、ずっと思っていることがあります。幸せはすべて自分自身のイメージが作り出すものだって。回りの人がどんなに、「この人は不幸ね」と思っていても、自分自身が幸せと思えればそれは幸せ。
逆に冒頭で紹介した葉子さんのように、回りからものすごく羨ましがられていても、本人が不満ならやっぱり不幸なのです。幸せや満足って、回りが判断することじゃなくて、超がつくほどに自分勝手なものさしが決めること。だから一度、じっくり自分と対話してみてください。

私のように不満要素を書き上げるのもいいし、お風呂の中でぼんやり自分を振り返るのも一考。毎日、それを繰り返せば、最初は不満いっぱいの自分のものさしが、いつしか自分の幸せを計るものさしに変わっていくと思うのです。
などと書くと「ノーテンキでいいね」「ポジティブシンキングってヤツ?」などと思う人もいるでしょう。そう思うほうが普通だと思います。でもね。やってみると、やっぱり違うんだよね。それは、やった人にしかわからない幸せへのステップです。

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