81.「~であるべき」と「~なりうる」
「~であるべき」という考えは、そう思っている本人に、敗北感を与えることになります。この言葉は、今ある状態と、望ましい状態が一致していないことを示しています。そして、自分の現在の経験を、あるべき姿と比較し、つねに戦わなければならないのです。それでは、「~なりうる」と表現を変えてみたらどうでしょう。前向きに努力する元気がわいてくるはずです。「~であるべき」を取り除けば、もっと自信に満ち、自分の価値をはっきり意識できます。
82.感情と筋肉
感情と筋肉は、とても深い関係があります。そこで、簡単な実験をしてみましょう。ゆったりと椅子に座り、意識して体の筋肉をできるだけ弛緩させます。次に、筋肉を緊張させないで、強い感情を呼び起こしてみてください。怒ってみたり、恐がってみたり、嘆いてみたりしましょう。できましたか?体がリラックスしているときには、強い感情を持つことができません。筋肉を全く緊張させないで、落ち込むことはできないと気づいたはずです。
83.怒る前に深呼吸
混み合った電車の中やコンビニエンスでのレジ待ち、渋滞している道路の車の中、どれをとってもイライラはつのるばかり。呼吸の仕方次第でこんなキレそうな状態も心地よく過ごすことができるように。深~く息を吸い、ゆっくりと少しづつ息を吐くということを10回程くり返します。人や動物は驚いたり、緊張したりすると呼吸が早くなって手に汗をかいたりします。その反対の事を練習するのです。これだけでのことですが、酸素が身体の隅々まで行き渡り、疲れがとれて気持ちにゆとりが持てるよう になります。怒る前に深呼吸。
84.ゾーンセラピー
ゾーンセラピーは、内臓器官や神経につながっているという手足の指をマッサージし、全身をリラックスさせる療法です。そのマッサージを簡単にしたのが、指に輪ゴムを巻きつける方法です。使うものは、5つの輪ゴムだけ。右手の指に輪ゴムをきつく巻き、ゴムをつけたまま、3分間手をきつく握り締めます。力を抜いたら、輪ゴムをはずし、今度は左手の指に巻いてください。5分してからもう一度繰り返します。足の指も同様にすることができます。
85.カンタンマッサージ
ストレスや緊張の影響を受けやすい部分に、頸部の僧帽筋があります。頭の下から背骨にそって背中の中ほどまで達し、そこから両肩へと広がっている、星型の大きな筋肉です。ここのコリをほぐす、とても簡単なマッサージ法があります。用意するのは、テニスボール2個と靴下。靴下にボールを入れ、口を縛るだけです。そして、脚を高くして床に横になり、首をボールの間にのせます。ボールの圧力で、すっきりします。
86.口の運動
口元の緊張をほぐしてみましょう。まず、8秒ぐらいかけて、ゆっくりと舌を出し、いったん止めて、ゆっくり引っ込めます。次に、舌を真中に出し、右の口角に触れ、また真中に戻し、左の口角に触れ、もとに戻します。今度は、口を少し開いた状態から、あごをゆっくりと下げていきます。無理をしない程度まで下ろしたら、ゆっくりと、もとに戻します。最後に、口をゆっくり開けながら、頭を後ろに倒し、5秒ぐらい静止します。そして、ゆっくり戻します。
87.お手玉
簡単なストレス解消法として、何かを手の中でギュっと握るという方法があります。同じ動作を繰り返すことで、手にたまった緊張がやわらぎ、リラックスするのです。このストレスボールは、市販されていますが、日本にはこれによく似た伝統的なグッズがあります。子供の頃、手にしたことがあるお手玉です。小豆の入った、手の平にすっぽりおさまるお手玉は、ストレスボールに最適です。おばあさんに作り方を教えてもらい、試してみませんか?
88.クシでリラックス
100円ショップに売っているプラスチック製のクシで、ストレスを解消してみましょう。 指先から指のつけ根に向かって、クシで繰り返しなでていきます。もみほぐしながらマッサージしていくつもりで、クシを使うといいでしょう。手の甲と手のひらが終わったら、手首、腕、肩まで範囲を広げます。両手が終わったら、両足も同じようにクシでなでてください。最後に、深呼吸して静かにくつろぎます。
89.静寂な空間
国内外で、教会に入った経験はありませんか?外の喧騒がウソのように、し~んと静まりかえった空間に、ホッとくつろいだ人も少なくないでしょう。反対に、いたたまれなくなってしまった人もいるかもしれません。静寂に包まれると、心がやすらかになり、リラックスできます。もし、音がない生活に我慢できないと感じたら、ストレスがたまっている証拠です。音が氾濫している日本だからこそ、「無」の時間を楽しむ贅沢を大切にしたいものです。
90.リラックスした呼吸
ストレス状態になると、交感神経が緊張して、心拍数が速くなり、呼吸も速くなります。ですから、呼吸をリラックスしたペースに戻すと、交感神経の緊張もほぐれるのです。ヨガの瞑想法から生まれた調息法は、とても簡単なリラクゼーション法です。時計の秒針を見ながら、4秒間、お腹いっぱいに息を吸い込みます。そして、4秒間息を止め、次の4秒間で息を吐いていきます。これを3~4分繰り返したら、5分間休憩し、もう一度繰り返します。呼吸をすることに神経を集中して。