うつ

鬱とアロマテラピー

鬱(うつ)については、とても一項ではまとめきれませんし、真剣に取り組まなければならない心の病気です。まずは医師に相談して下さい。
アロマテラピーを用いる場合は、他の項も参考にしながら自分に相当するエッセンシャルオイルを選んで下さい。ストレス社会の中で年々増加する鬱は、その軽い重いは別にして多くの人が経験のあることと思います。その主な症状は、疲労感・不眠・眠りすぎる・過食・拒食・脱力感・集中力の低下・優柔不断・記憶力の減退・希望を失う・悲観的になる・生きる興味を失う・性欲減退・罪悪感・涙もろくなる・自分の存在価値の否定など、個人差や複合的に出る場合もありますので、とても数え上げ切れません。

また理由もなく突然襲ってくる鬱は内因性の鬱で、何かの出来事がきっかけとなって起こるものを外因性の鬱と呼ばれます。その出来事とは悪いことばかりでなく、良いこともきっかけとなります。しかし病気としての鬱は、突然はっきりとした理由もなく起こることが多いようです。そのような気分を感じたら、すぐに医師に相談した方がよいでしょう。
なぜなら鬱の原因として、甲状腺の病気やホルモンの乱れなど、肉体的な不調から起こることも多いからです。その場合は薬などで改善することが出来きます。また鬱そのものにも多くの薬がありますので、自分に合った種類を適当な期間、処方してもらいましょう。必要以上に長くダラダラと飲むのは依存性を高めます。

他に改善するために何をしたらよいのかというのは一概には言えません。人と会ってにぎやかに会食する←→一人で静かに過ごす・お酒やカフェイン←→まったく飲まない・リラクセーション←→運動と言うように、まったく反対の行為が改善に繋がることがありますから色々と試す価値はあると思います。

アロマテラピーも医学的治療を補うために役立ちます。この項では、一般的な鬱に対して、伝統的にどのようなエッセンシャルオイルが使われてきたかを御紹介します。

鬱に対して伝統的に用いられるエッセンシャルオイル

マンダリンローマンカモミールレモンベルガモットグレープフルーツオレンジ
ジャスミンイランイランローズオットー、ローズマロック、ネロリゼラニウムプチグレン、ヘリクリスム、レモンユーカリ、サンダルウッドクラリセージマージョラムラベンダーフランキンセンス

鬱に用いるエッセンシャルオイルのブレンド

ブレンドA

ブレンドB

ブレンドC

ブレンドD

ブレンドE

鬱の人に接する場合ですが、他人の愛情や思いやりが最大の贈り物です。鬱の人はそのことに感謝しつつも表現できないこともありますし、時として迷惑そうに見える時もあります。とにかく根気よく話を聞いてあげたり、優しく手に触れたり、マッサージすることは、その人を支え力づけます。鬱に人は体を触られることを嫌がる人もいますが、そんな時はこれらのエッセンシャルオイルの香りだけでも役に立つでしょう。

アロマテラピーの方法

下記の方法から用いたい時や場所に合わせて使い分けてください。

1.仕事や作業に集中したい時

ティッシュにつけて吸入したり、室内に香らせたりします。
入浴もそれ自体が精神を集中させるのに適した時間です。(但し、バジルやペパーミントは皮膚刺激を感じやすいので、使用しないか少量に)全体的な集中を高めたいならば、全身マッサージがよいでしょう。

2.芳香浴

空気中に香りを漂わせる方法を「芳香浴」と言います。精油は揮発性が高いので、どんな方法を用いてもその空間に香りが漂い「芳香浴」の状態になります。
基本的な方法として「アロマポット」(上部の容器にお湯を入れ、精油を数滴落として、下からロウソクで温め、蒸気とともに香りを発散させます)があります。これは火を使いますのでお子さまやペットがいるお家では、ロウソクを使わない電気で温めるタイプや細かい霧状に分散させるディフューザーを使うとよいでしょう。

3.入浴

リフレッシュしたい時は少し熱めのお湯で短時間入浴します。リラックスしたい時は少しぬるめのお湯でゆっくりと入浴します。精油の量は普通のバスタブで、3~6滴。スパイス系のものは少なめに。精油は直接バスタブに落とし、よくかき混ぜてから入浴します。次の人が入る時には3滴を追加します。ひとつかみの自然塩に精油を混ぜると、さっぱりタイプの入浴剤になります。しっとりタイプは、1回分5mlの植物性のオイルやミルクに精油を混ぜます。 専門店では、精油を水に混ぜ合わせる為の乳化剤なども扱っています。
(注意)夜の入浴は大丈夫ですが、柑橘系の精油が肌に残ったまま日光にあたるとシミや炎症を起こすことがありますので注意して下さい。

4.マッサージ

精油を植物性オイルでうすめてマッサージオイルを作り、マッサージしたりスキンケアに利用します。あまりベトつかず、使用しやすい植物性オイルは、ホホバ油、スウィートアーモンド油です。他にも色々な特徴をもった植物性オイルがありますので、専門店で相談しながらの購入をおすすめします。
これらのオイルを「ベースオイル」と言い、お好みのベースオイル10ml(さかずき一杯位)に、目的にあわせた精油を2~3滴落として混ぜ合わせると、マッサージオイルの出来上がり。すでに出来上がったブレンドオイルもよく売られていますので、これを使うと初めてでも簡単にアロマ・マッサージが出来ます。

5.ルームスプレー

100ccの精製水をスプレー容器に入れ、精油を10~15滴(最高20滴まで)落とし、よく振り混ぜてから使用します。 上記の精製水のうち、純度の高いウォッカや無水エタノールを10~30%の割合で加えると香り立ちや殺菌力が高まります。

6.蒸気吸入

洗面台や洗面器、ボウルなどに熱湯を注ぎ、精油を1、2滴落とします。頭からバスタオルをかぶり、蒸気が逃げないようサウナのような状態にして、5分~10分位ゆっくり深く蒸気を吸い込みます。 この時目は必ず閉じて下さい。起きあがれない病人の場合は、枕元に洗面器、ボウルなどを置くだけでもよいです。 アレルギー性鼻炎や喘息の人がはじめて行う時は、短時間からはじめて徐々に時間を延ばしながら行って下さい。

7.手浴・足浴

手首や足首の上まで浸る洗面器やバケツを用意します。熱めのお湯(入浴よりやや高めの温度)を洗面器やバケツに注ぎ、精油を1~3滴落として手や足を15分位浸します。冬場は、すぐにお湯がぬるくなってしまいますので、熱湯を足しながら行います。精油の香りを楽しみながら、ゆったりとした気分で過ごしましょう。好きな音楽を流しながら行うのもよいですね。

8.簡単な方法

ティッシュ、ハンカチ、枕カバー、ポプリ、カーテン、カーペットや熱湯を入れたコップに精油を数滴落として香らせます。オフィスや外出先でも簡単にできます。

9.手作り石けん・コスメティック

精油を使って手作りの石けん、化粧水、クリーム、パック、リップクリーム、ハンドクリーム、香水、マウスウォッシュ、アロマキャンドルなど作ってみるのも楽しいですし、材料に何が入っているか分かっているので安心感があります。

内容は保証されるものでなく、医師による診断や治療の代わりにはなりません。各自の責任で実行してください。