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23.陳自明(ちんじめい)—「婦人良方大全」を完成

陳自明
陳自明(ちんじめい)  1190?~1270

婦人科領域に取り組む

陳自明、字は良甫(良父)、宗の臨川(今の江西省撫州市)の人。南宋紹煕元年(1190)頃の生まれ、咸淳六年(1270)卒、享年80歳。

陳自明は三大医者の家に生まれ、幼いころから医学を好み、十代で頭角をあらわしたといいます。中年になって医学の造詣はますます深まり、健康府の明道書院医論(医学教授)に任ぜられました。積極的な医療姿勢で、南北朝時代の医者の「世の中に治療できない病気はない。治療の下手な医者がいるだけだ。薬は別のもので代用できるが、医者は代用がきかない」という主張に賛同しました。
従来、産婦人科があまり注目されてこなかったことに気づき、各地から、産婦人科の専門書30種類を集め、家伝の秘方や個人の経験を付して、嘉煕元年(1237)「婦人良方大全」を完成させています。47歳の時のことです。

「婦人良方大全」は全24巻。調経・衆疾・求嗣・胎教・候胎・妊娠・坐月・産難・産後の9部門に分かれ、あわせて269の論を収め、方が付されています。この書の特徴は、

  1. 産婦人科の証治の網領を確立したこと。
    例えば、月経に関わる病気の原因は「肝脾を損なうこと」であるので「その病気の元を補う」べきであると主張しました。
  2. 産婦人科の薬の特徴を明らかにしたこと。
    例えば、「妊娠中に用いる薬は清涼なものがよく、桂枝・半夏・桃仁・朴硝などを軽々しく用いてはいけない。病気がやや快方に向かったら投薬をやめるのが肝要」といいます。
  3. 妊娠中に用いてはいけない薬として、牛膝・三漆・大戟・巴豆・蒡牛子などを挙げ、胎児に悪い影響を与えたり、流産や早産を引き起こす可能性があることを指摘したこと。
  4. また四物湯を婦人科の聖薬としたこと(これは現在でも産婦人科医に指示されています)、などが挙げられます。

陳自明は外科も熱心に勉強しました。李迅の「集験背疽方」と伍起宇の「外科新書」を参考に、「外科精要」を編纂しています。臨床では、熱毒に拘泥して寒涼克伐の剤ばかりを使ってはいけないと主張し、後世にも影響を与えています。

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