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41.張介賓(ちょうかいひん)—30年を費やし「類経」32巻完成

張介賓
張介賓(ちょうかいひん)  1563~1640
張介賓

「張仲景の後、千古に一人」

張介賓、字(あざな)は会卿(恵卿)、号は景岳。室名を通一斎といい、通一子とも号した。明の嘉靖42年(1563)生まれ、崇禎13年(1640)卒。享年78歳。

幼いころは六経(りくけい)と諸子百家の書に親しみ、医学理学に精通した父の影響で、天文・数学・堪(かん)輿(よ)(天地の神)・律呂(音楽)・兵法など幅広い知識を得ました。中年になると筆を捨てて軍隊に入りましたが、功なく、故郷に帰って雑学を捨て、医学に励みました。

おもな著作は、「類経」と「景岳全書」です。「類経」32巻、90万字は、30年の月日を費やし、4回の改訂を経て完成されました。「素問」「霊枢」の散漫な文章を整然と整理したもので、学習にも検索にもたいへん便利になりました。「景岳全書」64巻は、張介賓の学術理論を集大成した書です。

朱丹渓の「陽は常に有余、陰は常に不足」説に反対し、「陽気は本来有余なく、陰病はこれ皆不足する」と考え、陽気の重要性を強調した温補学説をもとに、温補治法を完成させ、新しい方剤を作りました。陰陽をともに補う時は、陰を補って陽に配し、陽を補って陰に配する。形を治する時は精血を先にし、外邪を攻撃するには先に扶正する。
こうした陰陽論の自在な展開と、八味丸が火を補い、六味丸が水を補う経験から、左帰丸・右帰丸・左帰飲・右帰飲などの命門の陰陽衰微を治療する名方を作り、後世まで用いられました。

薬性を深く研究し、人参・熟地・附子・大黄を薬中四維として推奨し、人参・熟地を治世の良臣、附子・大黄を乱世の良将にたとえています。特に熟地黄を愛用し、「張熟地」と呼ばれました。

また、素朴な軍事思想を医薬学の領域に引用し、敵と味方の関係を正邪の争いにたとえ、攻戦式を立てました。新方八陣と古方八陣がそれで、「陣をしいて後に戦うのが兵法の常。運用の妙は一心にあり」と言っています。八陣とは、一に補陣、二に和陣、三に攻陣、四に散陣、五に寒陣、六に熱陣、七に固陣、八に因陣で、こうした新しい分類方法は、現代の方剤の分類と用薬に大きな影響を与えました。

張介賓は「張仲景の後、千古に一人」と称され、偉大な功績を讃えられています。

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張介賓   ちょうかいひん   30年を費やし「類経」32巻完成