アロマテラピーに慣れ親しんでいても、あらためて精油のもたらす効果に驚かされる時があります。植物の成分は大変複雑で、全く同じものを合成で作り出そうとしても、今の科学力では難しいことと思われます。また薬用植物から「有効成分」と言われる一つの成分を取り出したり合成で作り出して薬や香粧品類に添加されたりしていますが、薬用植物そのものを使った時の効果とは少し違うように思われます。
アロマテラピーが「療法」として認識されたのは近年のこと、長い歴史の中での人々の知恵と経験が現在のアロマテラピーの処方の核となっています。下記は現在の段階で一般的に注意が必要と言われている精油です。精油の禁忌事項については今までも度々触れていますが、今回は精油の種類にしぼって箇条書きにしてみました。
薬用植物の成分はまだまだ解明されていないことが多く、本によっては全く正反対の事が書かれたりしていることもありますので注意が必要です。
1.妊娠初期から安定期に入るまでは使用してはいけない精油
ゼラニウム、ラベンダー、カモマイル、メリッサ(レモンバーム)、イランイラン
2.妊娠中使用してはいけない精油
クラリセージ、ペパーミント、スペアミント、マージョラム、サイプレス、ジュニパー、スウィートフェンネル、バジル、パセリ、ジャスミン、ローズ、ローズマリー、シダーウッド、ミルラ(没薬)、レモングラス、セージ、ヒソップ、ペニーロイヤル、タイム、ベイリーフ(ローレル)、アニス、アンジェリカ、ヤロウ
24.妊娠中のアロマテラピーについて
3.生理の重い人は避けたほうがよい精油
クラリセージ、ミルラ(没薬)、セージ、バジル、ジュニパー、フェンネル、ローズマリー
4.皮膚に刺激のある精油、敏感肌・アレルギー体質の人は注意
柑橘系のもの、タイム、シナモン、バジル、レモングラス、レモンバーベナ、フェンネル、スペアミント、ペパーミント、クローブ、ローズマリー、カシア、オリガナム、パイン、メリッサ(レモバーム)、ティートリー、シベリアモミ、パセリ、エレミ、カルダモン、キャラウェイ、シダーウッド、ジンジャー、バーチ
5.炎症の起きている皮膚に使用してはいけない精油
シトロネラ、アニス、ジャスミン、ジンジャー、イランイラン、ベンゾイン(安息香)、ゼラニウム、パイン、ベイリーフ(ローレル)
6.光感作のあるもの、使用後直射日光にあたらないよう注意
ベルガモット、スゥートオレンジ、レモン、ライム、マンダリン、グレープフルーツ、タンジェリン、タイム、レモンバーベナ、フェンネル、プチグレン、キャロットシード、セージ、ヤロウ、クミン、アンジェリカ
7.車を運転する前に使用してはいけない精油
ベンゾイン(安息香)、クラリセージ、ジャスミン、ネロリ
8.長年に渡って使用し続けないほうがよい精油
クローブ、アニス、ユーカリタプス、オレンジ、レモン、ジュニパー、ナツメグ、ブラックペッパー、マートル、ヤロウ
9.多く使い過ぎるとよくない精油
イランイラン、バニラ、カンファー、クラリセージ、アンジェリカ、シナモン、スパイクラベンダー、パセリ、パチュリー、フェンネル
10.喘息の人が使用してはいけない精油
カンファー
11.高血圧の人が使用してはいけない精油
セージ、タイム、ヒソップ、ローズマリー、ユーカリプタス
12.てんかんの人が使用してはいけない精油
フェンネル、ヒソップ、ローズマリー、セージ、シダーウッド、カンファー、ワームウッド、テレビン、ユーカリプタス
13.10ml以上飲むと重篤な障害を起こす精油、管理を厳重に
セージ、アニス、タイム、レモン、フェンネル、クローブ、シナモン、カシア、カンファー、シダーウッド、ユーカリプタス、ウインターグリーン、ペニーロイヤル、ヒソップ
参考資料
アロマテラピーのための84の精油 ワンダ・セラー (著)
精油の安全性ガイド (上巻) ロバート・ティスランド (著)トニー・バラシュ (著)
精油の安全性ガイド (下巻) ロバート・ティスランド (著)トニー・バラシュ (著)