白い隈ができるからクマザサ
イネはもともと南方系の植物で、イネ科の大型の孟宗竹は江戸時代に琉球沖縄に上陸してから、北進しましたが、せいぜい北関東地方くらいが北限。これが小型化して、北方にも適応し、北海道・千島にまで野生化しているのが、イネ科ササ属のクマザサです。ササは「小さい」という意味で牧野富太郎らによって命名されたそうですが、学名もこれを音訳して「Sasa属」です。
葉が若葉のときは全体に緑色ですが、秋から冬に枯れてくると、ご存知のように葉の辺縁が白くなる。白い隈(くま)ができるから「隈ザサ」です。一般にはこの葉が熊やパンダの好物だから「熊ザサ」とも書かれますが、ほんとは間違い。
クマザサの花は100年に一回くらいしか咲かないと言われます。開高健の出世作「パニック」には、この花の開花による野ネズミの大発生がひきおこすパニックが描かれています。当院の薬草園の周辺もクマザサだらけですが、日本中の林床をそのつよい地下茎でしっかり支えてくれています。ただし畑に一旦侵入されてしまうと、これは困りもの。簡単には抜けません。抜いても抜いてもという事態になります。
サンクロンや松寿仙などの薬にも配合
姫タケノコと呼ばれる山菜、缶詰などにもなっている小型のタケノコは千島笹の若根。五月~六月ころ採ってみそ汁や天ぷら、味噌和えなど美味しいですね。千島笹は地下茎から茎が地上に出るとき曲がって出るので、別名・根曲笹(ねまがりザサ)。タケノコが食べられるくらいですから、小さなササのなかでは比較的大型で、茎の高さは地上2メートルくらいはあります。
五月の節句といえば「チマキ」ですが、このチマキに用いられるのもこのやや大型のササの仲間の葉で、「チマキザサ」と呼ばれます。こうした笹団子の類は、葉に含まれる安息香酸が、なかの餅を長持ちさせるといわれています。葉をミキサーにかけた青汁や煮詰めた笹の葉エキスなどは民間薬として知られていますが、このエキスは胃腸薬の姫タケノコと呼ばれる山菜、缶詰などにもなっている小型のタケノコは千島笹の若根。五月~六月ころ採ってみそ汁や天ぷら、味噌和えなど美味しいですね。千島笹は地下茎から茎が地上に出るとき曲がって出るので、別名・根曲笹(ねまがりザサ)。タケノコが食べられるくらいですから、小さなササのなかでは比較的大型で、茎の高さは地上2メートルくらいはあります。
五月の節句といえば「チマキ」ですが、このチマキに用いられるのもこのやや大型のササの仲間の葉で、「チマキザサ」と呼ばれます。こうした笹団子の類は、葉に含まれる安息香酸が、なかの餅を長持ちさせるといわれています。葉をミキサーにかけた青汁や煮詰めた笹の葉エキスなどは民間薬として知られていますが、このエキスは胃腸薬のサンクロンに配合されています。
そのほか、高血圧や糖尿病の予防、松の葉などと配合した松寿仙などの民間薬も有名です。