90.タンポポ(蒲公英・蕗たんぽぽ・款冬花)—炎症をとめ、腫れ物を治す—

西洋タンポポの種子が全国を制覇

タンポポは世界中に野生している菊科の雑草ですが、食用、薬用に洋の東西をとわず古代から栽培されてきた、人と深いつきあいのある植物です。英語では DANDELION,意味はデンターライオン、即ち「ライオンの歯」です。もちろんあのぎざぎざした鋭い葉裂からの連想ですが、黄色の花がライオンの紋章の金の歯に似てるからだという説もあるそうです。西洋タンポポは原産がギリシャといわれ、黄色の花や茎を切ると出る汁からの連想で黄疸や肝臓の薬、目や意識をぱっちりさせる作用、婦人病などに利用されてきました。食用としても栽培され、ほうれん草のように茹でたり、サラダとしても愛用されてます。

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日本では関東タンポポ、関西タンポポなど各地に在来種(最近山歩きマニアから頂戴したのは白花タンポポの種でプランターに播こうと思ってますが、これも数少ない在来種)がありますが、明治時代に北海道で野菜として栽培した西洋タンポポの種子が全国を制覇し、いまでは在来種の方が珍しくなりました。黄色の花びらのように見えるのはひとつひとつが雄しべ雌しべをもった独立した舌状花でそれが集合してひとつの花になってます。
それを下から包んでいる緑の苞がしっかり立ったまま花を囲んでいるのが在来種、苞がすっかり反り返って下向きになっているのが西洋タンポポです。もうすぐ咲きだしますから観察してください。夏も終わりになると、小さな軽い種子、痩種が冠毛をつけてふわふわ風に吹かれている様子は御存知のとおり。

漢方薬としては蒲公英(ホコウエイ)といい、花の咲く前にあの深いゴボウのような根ごと収穫し、根も葉も全草を乾燥してカットして使います。古書には「食毒を解し、滞気を散じ、熱毒を化し、悪腫を消す」とありますが、全体に炎症をとめ、熱を下げ、腫れ物を治すという感じです。とくに日本や中国では乳腺炎をなおし、乳の出をよくする為の薬として用いられてきました。

食用としては日本でも葉を江戸時代には栽培していたようですが、今では根を煎ったタンポポコーヒーがカフェインレスで、しかも目や頭をすっきりする健康飲料として流行ってます。
蕗(フキ)タンポポはやはり菊科で似た植物ですが別物でこちらは、肺の炎症、咳を止める処方に款冬花(カントウカ)という名で配合されます。

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