61.米(粳米・コーベイ・うるちまい)—穀類の最優等生
いろいろな薬効成分の入った「重湯」—

健康のためには五分づきを

お米が漢方薬?!って驚かれそうですが、今まで取り上げなかった方がおかしいくらい、米は有名な漢方薬のひとつです。

食品としての米は、いうまでもなく、粳米(うるち米)と、お餅やお赤飯になる糯米(もちごめ)。硬いお米と儒(軟)いお米ですが、乾燥している状態で前のように山奥の清流に自生しますが、江戸時代元禄の頃には日本各地で栽培され者は半透明、後者は白濁しているのは御存知の通り。成分的にはそんなに差はありません。普段は粳米を、お好みで玄米から、何分づき、100%白米まで毎日食べてます。

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お米のよさを強調する主張は、以前はこんな風にも書かれています。「米は五味(酸・苦・甘・辛・鹹)を兼ねたり、故に衆人生涯これに飽く事なし。何ぞ無味淡薄なりといわんや。夫れ米と水を和して制すれば酒となり、辛熱にして酔狂せしめ能く肥満せしむ。醋(酢=酸)に制する時は、剛きをくだき柔せしむ、人を痩せしめ、醴(甘酒=甘)となせばよく暖め、長幼を養い、粥となせば鹹(塩)して脾土をかためしむ。炒めれば苦味となる、然れども微々たる苦味、痞硬を排す力乏し、かくの如く、其味異なれば効も亦異なるを察すべし」(昭和4年医薬随筆集より)。
お米を酒にすれば辛く、酢にすれば酸っぱく、甘酒にすれば甘く、お粥に塩をまぶせば塩からく、おこげは苦い。このように五味そろっているから食品としてはNo.1だし、いろいろな薬効も自ずから備わっているというわけです。

お粥のところは少しズルいけれどまあまあ許しましょう。とにかく世界にたくさんある穀類の中で、栄養的にも栽培的にも、もっとも優秀な作物が稲作(米作)であることは間違いないでしょう。お米が充分とれないから小麦しかとれない国々では、やむなく牧畜(肉や乳製品)で栄養を補っているのだという幕内説は傾聴に値します。

漢方薬としては、コーベイと呼び、うるち米の玄米を使います。古米の方が良品とされ特に古いものを陳倉米と呼んだりします。
コーベイは、消化吸収能力を向上させ、直接的にはもちろん滋養作用があります。今で言えばブドー糖や栄養の点滴です。血管からではなく口からのですが。他の漢方薬とともに煎じますから、いろいろな薬効成分の入った「重湯」と言ってよいでしょう。

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