梅といえば梅干し
今年も暖冬で、畑の梅の木は一月下旬には白い花を咲かせました。梅の実はこのところ一年おきに豊作なのですが、今年の梅雨時が楽しみです。
梅は、原産は中国南部のようで、はやくも紀元前5~6世紀には、アンズやモモと同じく栽培されていたようです。一説には日本の九州の一部にもともと原種があったともいわれます。ウメという発音の由来は、中国で「梅」を「メイ」といいますが、「ゥンメイ」と聞こえるので「ウメ」になったのでしょう。「馬」を中国では「マー」といいますが、やはり「ゥンマー」と聞こえるので「ウマ」と呼ぶようになったのと同じです。牟女(ムメ)とか宇女(ウメ)とか表記されていました。
梅といえば梅干し。毎日たべるのは健康の秘訣、塩分を気にしたって、しょっぱくない梅干しなんて梅干しじゃない!。風邪にはこの梅干しをお湯に溶いて飲んでもいいし、黒くなるまで焼いてからお湯に溶いてもいい。この黒焼きをゴマ油で練って皮膚のおできにつけます。頭痛には梅干しを両コメカミに貼る。「梅干し婆さん」の由来?今の若い人には通じないかな.....。
薫蒸すれば漢方薬
ウメは青いうちは食べるな、というのは御承知のようにアミグダリンという猛毒の青酸化合物があるから。アミグダリンには、制癌作用があるといわれアメリカでは抗癌剤として話題になったこともあります。
青い梅といえば私たちはやはり梅酒づくりですね。梅干しも作ってほしいですが、梅酒はもっと簡単ですから若い人達はお母さんやお祖母さんに今のうちに習っておきましょう。ノンアルコールの砂糖漬けもそのエキスは夏まけにはとてもよく効きます。
梅肉エキスは、青梅をすりつぶし、その汁を加熱して(本来は天日で)濃縮したものです。梅肉膏といわれ、江戸時代につくられたもので、日本独特の民間薬で、気つけ薬として使われたようです。今では料理のスパイスとして、あえものなどに広く使われています。
漢方薬としては烏梅といいますが、梅を真っ黒(烏色)になるまで薫蒸(スモーク)したものなのでその名があります。滞った気を巡らし、熱をさまし、強心作用、さらにはさっき少し述べた制癌作用まであると古書に書いてあります。処方としては「烏梅丸」が有名で、これは虫下しです。