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103.なつめ(棗)—菓子としても薬としても利用—

ナツメ

甘酸っぱいなつかしい味

中国北部が原産とされてますがふるくから世界各地で栽培されている落葉高木の木の実。クロウメモドキ科に属し、庭によく植えられています。卵形の可愛い葉。赤褐色の「梅もどき」の実は、幼い頃よく食べた記憶のある方もいるでしょう。
日本でも古くから果物(菓子)としても、薬としても用いられ、万葉集の歌にも出てきますし、平安時代の法律集「延喜式」にも出ています。近世では、正岡子規の「棗多き古家買ふて移りけり」などがあります。庭に棗の木のたくさん植えてある家に引っ越したということでしょう。子規の俳句といえば「柿食べば鐘が鳴るなり法隆寺」が有名ですが、成程、子規のような病弱な結核体質には柿よりも棗のほうが滋養があってよさそうです。

棗は日本語ではナツメ。初夏に芽が出るから夏芽だそうです。またお茶の道具のナツメは形が棗に似ているから名前つけられました。逆に、お茶の道具のナツメに棗の実が似ているから棗とついたのだという説もあります。

寝付きの悪い方には酸棗仁酒

くすりとしてのナツメは、大きく大棗と酸棗仁とに分かれます。大棗とはその名のとおり大きい実で、その果肉を少し乾燥させ蒸したあと再び乾燥させて刻んだものです。この大棗は、多数の漢方薬処方に組み込まれています。よく生姜と一緒に用いられ、滋養作用は強いけれど、しつこい大棗を生姜の力で吸収させ身体を丈夫にします。血ののぼせを鎮める働きもあり、甘草と小麦と大棗の三つでできたその名も甘麦大棗湯という処方は、三つとも薬だか食品という、何でもない組合せなのですが鎮静作用があります。
その他やはり生姜と似て、何といっても味が甘いですから飲みにくい漢方薬の味をよくする(矯味)作用も当然あります。

この大棗よりもう少し旧い種が、種が大きくて果肉が少なく、酸っぱいので果物としては食べられない酸棗です。種を包む核(サネ)が大きいのでサネブトナツメ。漢方では、その種(仁)を使うので酸棗仁といい、鎮静作用が強いので不眠症などに用いられます。ホワイトリカーで酸棗仁酒をつくるのもよいでしょう。
食品としては大棗の方が使われます。乾したもの、蜂蜜で煮たものなど、中華街で売ってますから御存知でしょう。

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