25.牡蛎(カキ・蛎・牡蛎肉)—制酸作用、安神作用(精神安定作用)がある—

牡蠣

くすりとして主に使うのは殻の方

10年ぐらい前のお盆休みあけ、「これ鳥取の実家から持ってきた夏ガキです」、と患者さんから頂戴して以来、私は冬のカキのみならず夏ガキも大ファンになってしまったのです。大きなアワビ大で、岩のよう塊のような荒々しい大きな貝を、金槌で打ちつけ、そこら中殻だらけにして、ようやく裂け目を見つけて、といった案配で1つあけるのに10分以上かかってしまいました。

中身は、冬蛎と違って肉厚で、実がつまっており、風味は冬蛎に劣るかもしれないがちょうど高級チーズケーキといった食感。豊かな食感です。以来夏になるのを楽しみにしてましたが、今はグルメブーム、もう海岸のどの民宿にいっても出てくるようになりました。
この夏は銚子から送って頂きましたが、左手前をペンチで押し削ってゆくと裂け目が簡単に見つかり、ナイフを上の貝にそって差し入れるときれいに開きます。ものの2~3分。今夏もそのまま酢で洗って賞味しましたが来年からは軽くソテーしてみようかななどと・・・。

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ところで蛎は海のミルクといわれるくらい栄養価バツグンの食品で、洋の東西をとわず食品として珍重され、早くから養殖も行われてきました。食品としては、中身、即ち牡蛎肉です。大切な栄養素をほとんどすべて含んでおり、その上消化がよいので、身体が弱った病人にはうってつけ。漢方的に言うと補陰作用、補血作用がつよいといいます。そうして身体が立ち直ってくると、病人はぐっすり眠れるようになります。
牡蛎肉を塩水につけて発酵させたものがオイスターソース。私などは大の蛎好きですから、ちょっとした料理にボタッとこれを入れます。何でも一段美味しくなります。

くすりとして主に使うのは身ではなくて殻の方。これを漢方的に牡蛎といいます。雌雄同体の貝殻をどうして牡蛎というのか、不思議です。塩分を十分洗い流した蛎殻を高温で熱して、貝柱など付着物やよごれをきれいに燃やしてしまったあと、粉砕機できれいな小さな粒にしたものが、生薬として用いる牡蛎です。貝殻ですから主成分は当然カルシウム。鶏のエサに混ぜるのは御存知でしょう。

人がその煎じ液を服用すると制酸作用で胃腸がよくなる。また安神作用といって精神安定作用がつよい。竜骨というもうひとつのカルシウムとあわせて、よく用います。病気の種類を問わず、現代人にはとても有効な薬という印象を受けています。

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