42.クチナシ(梔子)—口内炎やのどにも効果あり—煎じて服用しても口内炎やのどの腫れによく効く

クチナシ

熟しても開かないのでクチナシ

薬草園にクチナシを十本ほど植えてからもう3年くらいたちます。まだ元気がよいとはいえませんが真っ白な花を咲かせて楽しませてくれます。陽当たりがよすぎるといけないので建物の陰に植えましたが、思ったほど発育しません。それでも7月下旬くらいまでは咲いています。

私どもの世代は「今では指環もまわるほど、やせてやつれたおまえの噂」という渡哲也の「クチナシの花」の唄で馴染み深かったのですが、その実が漢方薬とはその当時ちっとも知りませんでした。この唄は、多分東映ヤクザ路線映画の最後の方に咲いた主題歌だった筈です。
まだ淪落というコトバが生きていた頃。最近ではこのコトバは出稼ぎの外国人女性が引き受けているようです。

さてさてこの白い美しい花は香りもよく、ちょうどジャスミンのようで、学名ではガーデニア・ジャスミノイデス。花びらはひと茹でして、酢のもので食べられます。オクラの花と同じ感じで、ぬめりが出ておいしいものです。薬用部分は果実で、秋になって熟しても口を開けないのでクチナシ。
外に鋭角な六~八角形の筒状で、基盤や将棋盤の足がこの形です。クチナシ脚と呼ばれます。勝負に傍から口出ししないようにクチナシの脚といわれます。漢名の梔子(しし)の梔は酒器(徳利)のことで、やはりその形が似ているところからきています。

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お酒にして入浴剤にも

「みみなしの 山にくちなし えてしかな おもいの色の した染めにせん」(古今集)。この歌にあるように大和三山の耳成山は梔子山(クチナシヤマ)と呼ばれるほど、クチナシがビッシリ生えていました。昔から温暖な地に自生又は栽培され、この歌のように染料として使われていました。

食品としてはやはりおいしそうに見せる為の着色料。あざやかな黄色(天然の)はたいていクチナシが入っています。栗きんとんが一番有名。その他たくあんの黄色などに。天然乾燥してこの赤茶色のカラカラした実を細かく刻んで煎じくすりに入れます。黄連解毒湯というよく使われる漢方薬で、私の大好きな処方がありますが、その4つの構成生薬のひとつがこのクチナシです。
このクチナシ一味だけを煎じて服用しても口内炎やのどの腫れによく効きます。クチナシ酒は入浴剤としてどうぞ。

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